マヒンドラ ピニンファリーナを買収したインドの自動車メーカー

ピニンファリーナといえば365GT4BB、288GTO、テスタロッサ、F40などをはじめとする歴代フェラーリ各車、アルファロメオ・ジュリエッタ、ランチアラリー037、プジョー205などなどのデザインを手がける、名実ともにイタリアンデザインを代表する、イタリア最大のカロッツェリアである。創業は1930年。

ピニンファリーナはデザインをするだけではなく、自社の生産工場を持ち、各自動車メーカーからの委託生産も受けている。少量生産モデルや、ピニンファリーナデザインのカブリオレなど、自社工場で生産するモデルも数多い。また、乗用車のデザインだけではなく、鉄道車両やクルーザー、小型ジェット機などのデザインも手がけており、ゴルフクラブや電話機のデザインなどもある。2006年のトリノオリンピックでは聖火台、トーチなどのデザインもピニンファリーナによるものだ。イタリア、というよりも世界を代表するカロッツェリアと言える存在だ。

このピニンファリーナがインドの自動車メーカー「マヒンドラ&マヒンドラ社」に買収されることになったという。ピニンファリーナの株式のうち76.06%をマヒンドラ&マヒンドラ社と、グループ会社の「テック・マヒンドラ社」が共同で取得することに合意したと15年12月14日明らかにされたのだ。

マヒンドラ&マヒンドラ社とはどんな自動車メーカーなのか

件のマヒンドラ&マヒンドラ社は、インドの巨大コングロマリット、マヒンドラグループの中核をなす傘下企業で、1945年に創業。トラクターの製造から始まり、1949年にはジープの生産を開始した。その後オート三輪、乗用車の開発、製造を始め、大型トラックなども製造する総合自動車メーカーへと発展。

マヒンドラグループとしては航空宇宙産業、エネルギー産業、物流、産業機器、不動産など多くの事業分野にかかわっており、グループ全体での従業員は11万人以上で、160億ドルの売上を誇っている。

インドの自動車メーカーといえばジャガーを買収したタタモータースが頭に浮かぶが、実はインド国内での販売台数を見てみると、圧倒的なシェアを誇っているのはマルチ・スズキ。そう、日本のスズキのインドにおける製造販売を担う子会社である。インド国内の新車販売台数は月間26万~30万台程度で推移しているのだが、マルチ・スズキは平均して月販10万台程度で35~38%のシェア。販売2位はタタでシェア14~16%となっており、マヒンドラはそれに続く第三位メーカーで、月間販売台数3万~4万台規模で、シェアは11~12%程度。ちなみに、韓国のヒュンダイがほぼおなじ程度の販売シェアを持っており、熾烈な3位争いを展開している。

スズキ以外の日本メーカーだとホンダがマヒンドラやヒュンダイに続くシェア5位となっており月販台数は1万~1万5000台程度で5%程度のシェアとなる。

マヒンドラは初期にはジープとの技術提携でジープ車を製造していた経緯がある。また、2005年には、ルノーと51対49の出資比率で合弁会社「マヒンドラ・ルノー」を設立して2007年にはルノーの低価格戦略車「ロガン」の製造、販売を開始するも販売は振るわず、2010年にマヒンドラ側がルノーの所有する合弁会社の株式を譲り受けてマヒンドラ・ルノー社を完全子会社化して合弁を解消。一方で2010年には韓国の双竜自動車を買収している。

現在販売中の乗用車はいわゆるクロスオーバーSUVが主流で「XUV500」など、なかなか精悍なデザインの車もある。「タール」はジープをルーツとする本格派オフロード4WD、TUV300は直接の関係性は無いと思われるが、ジープチェロキーの影響を感じさせるフロントマスクのSUVだ。また、EVも独自に開発、販売しており、車種ラインアップは豊富である。

さて、このマヒンドラの車、ピニンファリーナを傘下に収めたことでガラリとデザインが変わるのだろうか?「ピニンファリーナのデザインがマヒンドラグループ全体のデザイン能力を大きく引き上げることになる」とマヒンドラグループのアナンド・マヒンドラ会長はコメントして、当然、マヒンドラ社のデザインになる。

その一方で、あくまでもピニンファリーナの独立性は保たれるとい立場を示しており、活動の拠点はイタリア・トリノであることに変わりはなく、今後もフェラーリやアルファロメオのデザインに関わっていくスタンスに変わりはないとのこと。

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