プリウスとアクセラは、ヨーロッパではCセグメントと呼ばれているクラスに送り出されたファミリーカー。プリウスはエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車で、燃費に代表される優れた環境性能を実現している。充電器機能を備えたプラグインハイブリッド(PHV)の投入も間近に迫った。
CセグメントクラスはPHV勢の勢力が強い
PHVは、ハイブリッド車の新しい形だ。環境保全に対する最も現実的な回答で、EVのようにモーターのみを使って60kmほど走ることができる。充電システムを上手に使えばガソリンを使うことなく目的地に行くことが可能だ。充電時間もEVより短い。
最新のプリウスは、ハンドリングや乗り心地など、走りの実力も大幅に引き上げられた。軽快感と安心感の走りを手に入れたのである。この美点はPHVにも受け継がれるはずだ。
アクセラはヨーロッパ勢をライバルとして開発が進められ、走りの良さを売り物にしている。ハイブリッド車もあるが、日本車としては珍しくディーゼルターボも設定した。7月にパンチ力のある2.2Lに1.5Lのディーゼルターボも追加された。
マツダは革新的なSKYACTIVテクノロジーを使って魅力的な直噴のディーゼルターボを完成させた。排気量の小さいアクセラの1.5Lディーゼルターボは、今一歩のパンチ力だ。が、同クラスのガソリンエンジンより実用域のトルクは充実しており、扱いやすい。燃費も良好だ。
2.2Lのディーゼルターボはヨーロッパ勢よりパワフルで、パンチ力がある。トルクもガソリンエンジンの4Lクラスと同等で、分厚い。
ヨーロッパでは地球温暖化に悪影響を及ぼすCO2(二酸化炭素)排出量が少ないディーゼルエンジンが人気だ。多くのメーカーが、最新技術を用いてクリーン度の高いディーゼルを開発し、主役としている。直噴システムに高圧のコモンレール式電子制御燃料噴射装置を組み合わせるとともに、排ガス浄化装置にも工夫を凝らしてNOx(窒素酸化物)も抑え込んだ。
最大の魅力は、ガソリンエンジンより実用域のトルクが太く、扱いやすいことである。ターボとの相性もいい。その反面、静粛性や振動は今一歩にとどまっていた。が、新世代クリーンディーゼルは走り出してしまえばディーゼルとわからないほど静かだ。
日本でボルボの主役となっているV40にも待望の2Lディーゼルターボが加わった。コモンレール式の燃料噴射装置を採用し、動力性能だけでなくクリーン性能も高いレベルにある。7月にフェイスリフトを行ったが、静粛性に改善が見られるなど、快適性は大きく向上した。
気持ちいい走りを見せるボルボV40は、快適性が高いだけでなく先進安全装備と運転支援システムも充実している。ライバルの一歩上を行く安全性能は大きく魅力だろう。内容を考えると、輸入車の中では買い得感が高い。
BMWは2シリーズに、ファミリーカーでは多数派となっているFF方式を採用し、注目を集めている。主役の218dは、アクティブツアラーとサードシートを備えるグランツアラーに最新の直噴2Lディーゼルターボを搭載した。
シャシー性能とハンドリング性能がいいからディーゼルターボの魅力が際立っている。応答レスポンスが鋭く、快適性も1級の実力だ。
BMWはハイブリッドシステムには早くから注目していた。その回答が225xeアクティブツアラーである。最新のPHVで、モーターの後押しによって力強いパワーフィーリングだ。ドライバビリティも優れている。ただし、実用燃費は2モーター方式のプリウスに遠く及ばない。
街中を主体とした使い方ではプリウスの実力の高さが光る。が、高速走行や郊外の道で魅力を放っているのは最新のディーゼルターボだ。