「セダンもあるけどワゴンもあ~る」というのがネーミングの由来となったワゴンRは93年に登場。軽自動車に革命をもたらした日本を代表する名車の一台。そのワゴンRの6代目デビューがいよいよ近づいてきた。しかし、燃費不正問題で新型ワゴンRの認可はすぐにおりることは難しそうだ。当初予定していたフルモデルチェンジも年末から来年に連れ込みそうだという。
そうは言ってもスズキとして粛々と市販に向けて開発しているのは間違いない。ある関係者によれば、すでにほぼ開発も最終段階で、燃費も国の指定する基準に完全に合致した方法で行い、燃費値は現行モデルを上回るという。13年に400万台を突破し、500万台という驚くべき台数を目前に控えた、日本の軽自動車の頂点とも言える人気車はどう変わるのか?
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ノーマルモデルはヴェルファイア風
注目のエクステリアデザインは2種類あると言う。ベースのニューワゴンRとワゴンRスティングレーの二つのボディタイプがあるということだろう。これまでのワゴンRの特徴と異なるのは縦型のライトの方が、スポーティでこちらがスティングレー。レギュラーモデルは小さなヴェルファイアのような二段ヘッドライトを備えたお洒落なデザインに仕上げられる。これまではノーマルのベースモデルが縦方向、スティングレーが横方向に広いライトを採用していたが、新しいワゴンRでは縦のライトの方が、よりスポーツ志向が強いわけだ。
更に外観上の特徴は、ボディ中央区のピラーの処理もアルファード/ヴェルファイア流。ピラー中央区が広く、ルーフに向かって細くなるタイプ。ベーシックモデルとスティングレーの違いは主にフロント回りがメインで、新型では独立したグリルのスティングレーもスポーティだが、ノーマルの方もアクティブなイメージに変身する。リアビューも、これまでの縦型から下に水平に配置されるコンビネーションランプが新鮮なイメージ。
新しいボディになってもサイズはほぼ変更なし。全長×全幅×全高は軽規格内の3395×1475×1660mm。ホイールベースは新型アルトと共通の2460mmと35mm拡大され、より室内を効率よくを使えることになりそうだ。
そのインテリアのテーマは品質の向上と装備の充実。ライバル各車が特にインテリアの品質感を向上しているだけに、当然この辺りを中心に手が入れられる。装備類の充実もあり、ハスラー、スペーシアに採用された自動ブレーキ、スズキの「デュアルカメラブレーキシステム」がこの新型ワゴンRにも採用され、より性能が認められている。
登場は遅れて来年初頭が有力か
新型で最も興味深いのはもちろん燃費だろうス。ズキ側の主張は天候に左右されるテストコースのため、国の規定による測定方法ではない方法を用い、不正の意図はなかったと説明。実際規定による測定方法では逆に燃費が向上するというだけに、次期モデルではどこまで良くなるか期待される。
エンジンNAとターボがあり、直列3気筒のR06A、658ccは変わらないだろうが、進化型S-エネチャージなどにより、NAで34.0~35.0km/Lあたりの好燃費は確保したいところだろう。スティングレーに積まれるターボで30.0km/L近くを狙う可能性もある。
パワーはそのままでNAが52ps/6000rpm、ターボが64ps/6000rpmあたり。全車これにCVTを組み合わせることになるという。アルトワークスのAGSはシフト位置の問題や燃費などでワゴンRには見送られる可能性が高いと言う。どちらかといえば全グレードAT(CVT)化もありえるといわれ、5速MTも含め、マニュアルミッションは存在しないということもある。
燃費の向上に関しては、昨年のアルトから始まった新しいボディ構造などによる軽量化によるところも大きい。現行モデルではCVTのFXグレードが780kgだが、進化したTECTと呼ばれるボディテクノロジーで、10%の軽量化が図られることになり、例えば新しい装備による重量増があってもトータルで40~50kgは軽くできる。同グレードで750kgとなれば、燃費向上も期待できるわけだ。
価格的にはMTがなくなる分、スタート価格は上がるが120万~150万円。スティングレーが140万~170万円程度になりそうだ。登場は年末辺りが有力か?
ワゴンR予想スペック
全長☓全幅☓全高(mm) | 3395☓1475☓1660 |
ホイールベース(mm) | 2460 |
車両重量(kg) | 750 |
エンジン | R06A型直3DOHC |
排気量(cc) | 658 |
最高出力(ps/rpm) | 52/6000 |
最大トルク(kgm/rpm) | 6.4/4000 |
トランスミッション | CVT |
JC08モード燃費(km/L) | 35.0 |
価格 | 120万円~ |