モータースポーツのDNAをベースにメーカー主導で統一されたスポーティイメージを追求
2014年に今後のNISMOブランド展開の発表が行われた。日産本社とNISMOが連携して統一したNISMOブランドを訴求していくのが狙い。白いボディにレッドのワンポイントが外観上の特徴となる。
NISMOは日産本体とは関係なく、スカイラインやフェアレディZ、ちょっと前ならシルビアなどスポーティモデルを中心に独自の車種選定をして、モータースポーツ活動からフィードバックされたパーツ開発、車両開発ノウハウを投入したチューニングパーツの販売、コンプリートカーの開発などを行ってきた。
しかし2014年、日産本社はNISMOのブランド価値をより明確にし、高めていくために日産本社とNISMOが連携して、コンプリートカー「NISMO」モデルをカタログモデルと同等の存在としてラインアップ拡充していくことを発表した。
NISMOコンプリートカーといえば、レーシーなイメージで作り上げられていたが、新生NISMOモデルは、イメージカラーはホワイトのボディカラーでミラーやバンパー下部、サイドスカート下部、レッドラインを配したシリーズ全体に一貫したデザインイメージを採用。
従来、個々のモデルとして企画されていたNISMOモデルは、NISMOブランドをアピールする存在へと変貌した。
その第一弾として登場したのがジュークNISMO。GT-RでもフェアレディーZでもなく、あえてコンパクトSUVのジュークを新生NISMOコンプリートカー第1号に選んだのも、「これまでのNISMOとは違うんだぞ」というメッセージを受け取った。
その後マーチ、フェアレディZ、GT-Rとラインアップを拡大し、現在のところ最新作はノートNISMOで5モデルとなった。
基本的にはボディ補強、シャシーの強化に加えて専用パワートレーンを搭載するなど、トータルチューニング。
特にノートやマーチでは標準グレードには搭載されない4気筒エンジンを搭載するなど、メーカー直系ワークスならではのコンプリートカーとなっている。
【広告】
ジュークNISMO RS
2013年に新生NISMOモデルの第一弾として登場したジュークNISMO。その後ベースとなるジュークが2014年7月にマイナーチェンジを実施したことで、そのNISMOモデルとして登場したのがNISMO RS。
この際にチューニングレベルをちょっと低くしたジュークNISMOを登場したので少々ややこしくなるのだが、初代ジュークNISMOの正統的後継モデルは「RS」となる。
ボディーはフロアクロスメンバー、Cピラー内などホワイトボディから徹底的に手を入れられ、ガッチリ剛性アップ。エンジンは1.6Lターボを専用チューンして214ps/25.5kgmとする本格派。価格は343万4400円。
マーチNISMO S
マーチをベースに通常の市販グレードには搭載されていない1.5Lの直列4気筒エンジンを専用チューニングして搭載。
最高出力116ps、最大トルク15.9kgmを発揮。また、国内仕様のマーチには設定されない5速MTを組み合わせているのがポイント。
エンジンもさることながら、シャシーチューニングがかなり本格的で、サスペンションメンバーの補強、フロアトンネルステーなどで205/45R16タイヤとスポーツサスを履きこなす。
GT-R NISMO
2017モデルに進化したGT-RにもNISMOモデルがラインアップする。グリルデザインなどを2017モデルと同等としながら、カナード形状のフロント3スポイラーなどで強大なダウンフォースを発生。
専用チューニングのエンジンは600ps/66.5kgmを発揮する。価格は1870万200円だ。
ノートNISMO S
2014年にノートがマイナーチェンジするとともにNISMOモデルが登場した。ノーマルノートにはない1.6L直4エンジンを140ps/16.6kgmにファインチューンし、5速MTが組み合わされる。
ボディ、シャシーは他のNISMOモデル同様、しっかりと固めるべきところを固めてサスがしっかり動き絶妙なハンドリングで80年代ホットハッチ風。価格は224万4240円。