小排気量化が進む現代、かつて高級車といえばV6やV8が主流だったのが一転、四気筒エンジンが一躍脚光をあびている。最新の日本&世界の4気筒エンジンの動きを見てみよう。
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2015年今時代は4気筒エンジンが主流となった
ダウンサイジングの時代となり、今、4気筒エンジンが一躍脚光をあびている。これまで6気筒やさらには8気筒などのマルチシリンダーエンジンを採用していた大排気量車たちが、軒並み排気量を縮小して、それに伴いシリンダー数減少。ターボなどの過給によりトルクとパワーを維持しながら燃費を高めようという狙いが根底にはある。
もちろん、複雑なメカニズムを必要とするV型6気筒やV型8気筒を直列4気筒とすることで、エンジン本体を大幅に小型化できるし、軽量化にもなる。また、複雑な構造のV型エンジンよりも直列4気筒はシンプルなので部品点数も少なく、コストダウンにもなる。
ベンツもBMWもそしてクラウンだって4気筒エンジンが主力モデルだ!
ほんの10年前であれば、ベンツもBMWも2~2.5Lクラスには6気筒エンジンを採用していた。また販売の中心は3Lクラスだったものが、現在では2Lターボが中心となっている。何よりも衝撃的だったのが現行型クラウンだ。6気筒エンジンが当然だったクラウンに、ハイブリッドとはいえ4気筒エンジンが搭載され、それが販売の8割以上を占める主力モデルとなっているのは本格的にダウンサイジング4気筒時代の到来を感じさせるものだった。
歴代クラウンにも4気筒エンジン搭載モデルは設定されていたが、営業者向けのLPG仕様であったり、ディーゼルエンジンなどで2001年、10代目(S150系)を最後に搭載を終了していた。オーナーカー向けクラウンで4気筒エンジンが主流だったのは50年以上前の二代目の時代までで、1967年に登場した3代目クラウンでは、4気筒エンジンは残されていたものの主力は完全に直列6気筒に移行していたのだ。
「事実上の主力エンジンを4気筒とすることに逡巡はありました。社内の反対の声も大きかったですが、今やらなくてはならないと決断しました」と、現行型クラウンの発表時にチーフエンジニアの山本卓氏が言っていたのが印象的だった。
そのクラウン、先日のマイナーチェンジでアスリートシリーズに直列4気筒ターボエンジン搭載グレードを投入し、ますます4気筒勢力を拡大している。このエンジンは従来のV6、2.5Lを置き換えるもので、アスリート系では販売比率5%程度と少数派の3.5LにのみV6エンジンを残し、他のFRモデルは全て直4エンジンへと移行したのだ。この8AR-FTS型エンジンはレクサスIS、RCなどにも搭載されている。
スカイライン、ジャガーもマスタングもキャデラックまで4気筒!
スカイラインにも4気筒時代が到来した。古くからのスカイラインファンにとってスカイライン=直6で、2001年にフルモデルチェンジしたV35にV6エンジンが搭載されただけでも衝撃的だったのに、最新のV37型では直列4気筒ターボエンジン搭載モデルが登場した。しかも、このエンジンがメルセデスベンツ製だというのだから、さらに衝撃度は大きくなる。
もっともスカイラインは元来4気筒エンジン搭載モデルも重視されてきた車で、5代目C210系までは直4シリーズはフロントノーズが短いショートホイールベースシャシーが専用に用意されており、直6を搭載する「スカG」の廉価版ではあったものの、軽量でノーズが軽くショートホイールベースでフットワークはむしろスカGよりもよく、一定のファンもいた。スカイラインの4気筒エンジンはR32型を最後に廃止されていたので、実に21年ぶりの復活である。再度海外に目を向けると、4LオーバーのV8が当たり前だったマスタングやキャデラックも2Lクラスの直4ターボを搭載。ジャガーXEにも直4、2Lターボである。
4気筒エンジンのデメリットは解決したのか
一般的に1気筒当たりの排気量は500cc前後が最も効率がよいとされている。したがって2Lクラスだと4気筒、3Lクラスだと6気筒、4Lクラスだと8気筒、と言うのが定番となっているが、4サイクルエンジンの場合、振動の抑制やスムーズな回転フィールの事を考えると6気筒以上のいわゆるマルチシリンダーにメリットがある。
特に振動面では直列6気筒が一次振動、二次振動、偶力振動などの振動バランスにすぐれているが、V6やV8だと一次、二次振動はバランスするもの偶力振動が発生するため、バランスウェイトをつけることで解決している。直4は二次振動が発生し、特に大排気量だとこれが顕著になるため避けられる傾向があったが、三菱が1974年に実用化したサイレントシャフトと呼ばれるバランスシャフトなどにより、振動低減効果が得られ、これを採用することで3L級の直列4気筒も登場したが、現在では2~2.5Lが直4エンジンの上限となっている。
6気筒以上のエンジンと比較すると、こうして振動面でのデメリットは小さくなったものの回転フィールなどではどうしても「4気筒らしさ」が残ってしまうのもまた事実。しかし、2Lクラスの場合、6気筒にして1気筒あたりの排気量が小さくなるよりも、4気筒とした方がトルクを出しやすいということもある。また前述のように小型軽量というメリットが高く評価されている側面も大きい。
4気筒エンジンを搭載するダウンサイジング車たち
車名 | 排気量(cc) | 最高出力(ps)/ 最大トルク(kgm) |
トヨタクラウン | 直4ターボ、1998 | 235/35.7 |
レクサスIS200t | 直4ターボ、1998 | 245/35.7 |
レクサスRC200t | 直4ターボ、1998 | 245/35.7 |
レクサスNX200t | 直4ターボ、1998 | 238/35.7 |
スカイライン200GT-t | 直4ターボ、1991 | 211/35.7 |
シビックタイプR | 直4ターボ、1995 | 310/40.8 |
スバルレヴォーグ1.6GT | 水平対向4ターボ、1599 | 170/25.5 |
BMW320i | 直4ターボ、1997 | 184/27.5 |
ベンツC200 | 直4ターボ、1991 | 184/30.6 |
フォードエクスプローラー | 直4ターボ、2260 | 261/42.8 |
ジャガーXE | 直4ターボ、1998 | 240/34.0 |
キャデラックCTS | 直4ターボ、1998 | 276/40.8 |
フォードマスタング | 直4ターボ、2260 | 314/44.3 |
ベンツA45AMG | 直4ターボ、1991 | 360/45.9 |