今回のオートサロンでは「レーシング仕様」を出展、東京モーターショーでの予想以上の評判の高さから、トヨタ社内でも積極的に動いているという。現在、トヨタのスポーツモデルの開発は多田哲哉チーフエンジニアを中心としたスポーツ車両統括部が行う。
統括部の中に「ZR」と「TGR」があり、ZRがBMWとの協業スポーツ、S-FR、それにWRC車両の開発もこの部署が担当し、TGRはGAZOO部門の車両開発を行なっている。
開発の担当役員は伊勢清貴専務。その上が加藤光久副社長、そして豊田章男社長というラインで、豊田章男社長、加藤副社長がこのS-FRの開発を先導したが、グローバル展開することから、安全技術に合致させるために大幅な見直しが迫られている、というのが最近の情報だった。しかし安全基準に関しては、トヨタ関係者の話によれば問題なく、40カ国以上で販売したいとのこと。それよりも営業サイドからの反対が遅れる原因ではないか、というのだ。
既に86があり、さらに小さいS-FRが本当に必要なのかどうか、もう一度精査せよ、と言う事らしい。この点に関して、高性能になりすぎ、しかも価格も高い86系の下に入門用FRを設定したい、というのが開発陣の狙いという。
東京モーターショーでの調査で、価格的に220万円程度までなら欲しいというユーザーも多く、価格帯にも見込みがたったといい、デザインは変更される可能性は高いが、トヨタS800の再来を思わせるトヨタの新しいコンパクトスポーツとして成立させるとしている。
開発が正式にスタートするにはもうしばらく時間がかかりそうだが、2020年までには豊田章男社長の肝いりとして登場してくるのは間違いなさそうだ。