新型A4 比較

欧州Dセグメントのミドルセダンは今まさに群雄割拠。そこへ新型A4がデビューした。果たして覇者はどの車?

エンジニアリング的にみた新型A4の最大の特徴は、VWグループ内のモジュラー戦略にのっとってエンジン縦置きタイプのFFシャシーをアウディ主導で開発、刷新したことが挙げられる。中~大型車種への拡張性を高めながら材料置換も進め、軽量化などの次世代的な要件も満たしたこのシャシーはMLBエボと呼ばれ、この新型A4が初の採用となるわけだ。加えてエンジンは、ミラーサイクルの原理をアウディ的に解釈したバルブコントロールシステムを持つ親開発ユニットは、欧州モード計測値でほぼ20km/Lの燃費を記録している。

今回はその新型エンジンを積む2.0TFSI、そして252psのハイパワーを四駆でドライブする2.0TFSIクワトロとライバルとを比較試乗しながら静的・動的の両面でその実力を測ってみた。

エンジンフィール

吸気側の早閉じで膨張比を制御、時にポート噴射も用いながら完全燃焼を実現する2.0TFSIのエンジン。言われたところで凝った仕掛けが内包されているとは分からないほど、そのエンジンフィールは滑らかで、6000rpm超のレッドゾーンまでよどみなくスイッと吹け上がる。

ストレートな4気筒直噴ターボとなる2.0TFSIクワトロも、基本的なフィーリングに変わりはない。ただし、回転のかろやかさやサウンドの濁りのなさまでを勘案すれば、ピーリングは3シリーズに分があるかという印象だった。ISは新作ユニットにしては吹け上がり感が全体的にやや重く、Cクラスは全域で音に雑味が多く、微振動も気になる。

エンジンのパワー感

2.0TFSIの新エンジン、力強さも見事だ。特に2000rpm以下のごく低回転域でのトルクの図太さや粘り強さはライバルのそれとは一線を画している。一方で出力感は実にフラット。高回転域までパワーがぐんぐん乗っていく感覚は薄く、レッドゾーンまで回す意味はあまり感じられない。この点、ライバルのCクラスも出力特性の性格は非常によく似ている。

対して2.0TFSIクワトロのそれは、低回転域での力強さを備えつつ、高回転側へと綺麗にパワーが盛られていく感覚もそなえている。扱いやすさとスポーティさが絶妙にバランスしている感覚は3シリーズも同じ。この2車はエンジンの総合力が非常に高いという印象だった。

ISはパワフルではあるものの、低回転域のトルク感が薄く、高回転域は頭打ちが早いなど、改善の余地が多い印象だった。

ハンドリング

A4車両のハンドリングは先代に対して操舵フィールがナチュラルになり、操舵ゲインと旋回G、ロール量などの連携感がリニアになったという印象だが、それでもコーナリングの所作はアウディらしいやや人工的な感覚だ。

その点3シリーズとCクラスは芸風を違えながらリアリティもきっちり追求できている。ただし、Cクラスは操舵初期のゲインがやや強く立ち上がる癖がもったいない。ISは試乗車がFスポーツだったこともあり、コーナリングをフォーカスすればCクラスに比肩以上のパフォーマンスが期待できる。

静粛性

0.23Cd値を売りにするA4はさすがに風切音が小さめだが、そのぶんFF系でもロードノイズが際立ってしまうのが惜しかった。タイヤ銘柄次第ではもう少し伸びしろはありそうだ。

3シリーズとCクラスはパワートレーンからのノイズが大きいめ。ISは全域でしっかり音を抑え込んでいて、ノイズレベルだけでなく耳障りな成分もよく整理されている。

乗り心地

現地で発表時に乗った新型A4との印象差が大きかった。日本特有の目地段差やゼブラ舗装といった人工的な凹凸には正直に反応し過ぎて車体の動きが大きくなる癖がある。

この点、3シリーズもさることながら、特にCクラスはいかなる大入力でも一発で吸収し姿勢をフラットに保つ、そんないなし感の作り込みが非常にうまい。ISはFスポーツゆえ不利だったが、標準車なら評価も上がるはずだ。

燃費

別表を参照いただければと思うが概ね順当な結果。期待の2.0TFSIは充分納得できる数字だが走りの気持ちよさを勘案すれば3シリーズの高効率ぶりも相当なものである。それにしてもISの2Lユニットが大きく差をつけられている点が気になる。

内装の質感

かねてから内外装の設えには定評のあるアウディだが、新型A4でも内装の造作は見事に世界観が統一されており、かつ高品質でもある。ダッシュやドアパネルのシボ感に始まり、ステアリングのステッチやシフトレバーのレザーの手ざわり、スイッチ類の樹脂素材のみっちりした密度感や押し込み触感のチューニングなど、見渡す限り、その仕上がりは上位のA6をも上回るほどで、ライバルを再び突き放すものであることは明らかだ。

ISは革の鞣しや部品のはめ込みのチリ合わせ精度など、部位によってはA4と僅差、もしくは上回るところもあるが、総合的にはA4の側に軍配が上がるだろう。また、Cクラスや3シリーズは品質のみならずデザイン的に見ても、やや保守&定型的である。

居住性

A4はCクラスや3シリーズなどのFR勢に対して若干大きな車寸と、エンジン縦置きながらもFFというパッケージを活かし、それらより確実に一回り広い室内空間を売りとして来た。新型でもその優位は変わらず、前・後席ともに広いレッグスペースやシンメトリックなドラポジを確保している。ただし、アクセルペダルが唯一吊り下げ式となる点は気になるところだ。

3シリーズはステアリング位置がやや左寄りにオフセットするという右ハンドル車ならではの問題はあるも、後席の着座高や座面サイズなどはよく調律されており、このクラスのサルーンとしては理想的だ。ISは後席の居住性で気持ち3シリーズに譲るも、右ハンドル車であってもドラポジはストレートに構えられている。それがに比べると、Cクラスはドラポジのオフセットや後席の着座位置への配慮が今ひとつ感じられない。

先進安全装備

A4の先進安全装備はライバル比で同等以上のものが用意されているが、ACCの車間調整やレーンキープの操舵介入などの制御がやや粗く、実地ではそれがぎごちなさとして伝わるところもある。

その点、Cクラスは同等の装備を持ちながら全てが自然に仕上がっており、オンオフの操作方法も非常に明快だ。特にクルーズコントロールレバーの使いやすさは出色で、長年同じロジックを使い続けているだけのことはある。3シリーズとISは制御アルゴリズムが両車より更に粗いだけでなく、アクティブなステアリングアシストを持たないなど、装備そのものが古いと言う印象が否めない。

コストパフォーマンス

A4の価格はFFで518万円~、クワトロで597万円~。ライバルに対して車格がやや上回り、かつ先進安全装備を内包しての価格ではあるものの、スタートプライスが400万円台前半からだった先代に対しては、総合的にはやや高めという印象を抱く。

総合結果

総合的に見れば新型A4の満足度はパワートレーンの出来栄えや静的質感の高さに依っており、海外での試乗で感じた乗り心地の良さや静粛性の高さが日本の路上では巧く現れなかったため、3シリーズと僅差という結果になった。逆に言えば3シリーズはCクラスやA4のパフォーマンスをよく吟味・想定し、それに対して十分伍せる性能をマイチェンで織り込んだと言えるだろう。特にエンジンの効率や静粛性、乗り心地を意識したサスチューニングなど、快適性の伸びしろは大きい。CクラスとISにはライバルを上回る長所もあるが、パワートレーンやパッケージに雑なところが見受けられ、評価を落とすこととなった。

ともあれ今回僅差で1位となった3シリーズの総合力にはセグメントリーダーの意地を感じたが新型A4のウィークポイントはタイヤの銘柄などでも大きく印象の変わるところ。秘めたるポテンシャルは非常に高いと思う。

ミドルセダン比較結果

車種 BMW320i
スポーツ
A4 2.0TFSI A4 2.0
TFSI
クワトロ
スポーツ
Sライン
ベンツC200
アバンギャルド
AMGライン
レクサス
IS200t
Fスポーツ
順位
全長☓
全幅☓
全高(mm)
4645☓
1800☓
1440
4735☓
1840☓
1430
4740☓
1840☓
1410
4690☓
1810☓
1435
4665☓
1810☓
1430
ホイール
ベース(mm)
2810 2825 2825 2840 2800
車重(kg) 1540 1540 1680 1540 1620
エンジン 直4DOHC
ターボ、
1998cc
直4DOHC
ターボ、
1984cc
直4DOHC
ターボ、
1984cc
直4DOHC
ターボ、
1991cc
直4DOHC
ターボ、
1998cc
最高出力
(ps/rpm)
184/5000 190/4200-6000 252/5000-6000 184/5500 245/5800
最大トルク
(kgm/rpm)
27.5/
1350-4600
32.6/
1450-4200
37.7/
1600-4500
30.6/
1200-4000
35.7/
1650-4400
トランス
ミッション
8速
スポーツAT
7速
Sトロニック
7速
Sトロニック
7速AT 8速AT
サスペンション
(F/R)
ダブル
ジョイント
ストラット/
5リンク
5リンク/
5リンク
5リンク/
5リンク
4リンク/
5リンク
ダブル
ウィッシュ
ボーン/
マルチリンク
エコカー減税
(重量税/取得税)
40%、25%軽減 非対象 非対象 60%、50%軽減 非対象
JC08モード
燃費(km/L)
15.4 18.4 15.5 16.5 13.2
価格 506万円 518万円 659万円 569万
7000円
509万
2000円

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この記事があなたのお役に立てれば幸いです。

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