今年2月、ホンダの八郷社長は、2年以内のシビックセダンの国内復活を明らかにした。そのセダンに新しい動きがある。
シビックセダンは昨年11月、北米で市販され、9月29日から開かれるパリサロンでヨーロッパでも初公開されるグローバルモデル。
それを日本にも導入するということだが、日本仕様で一番力が入れられているのが、どうやらタイプRということのようだ。
すでにニュルブルクリンクでの高速テスト、スペインでの一般路テスト走行は目撃されているものの、ヨーロッパだけでなく、この日本がメインターゲットになるというから楽しみなところだ。
シビックタイプRは昨年、5ドアハッチバックタイプをイギリスから750台限定で導入し、1万件を超える申し込みの末、抽選で購入者を決定するほどの人気を誇ったが、こうしたスポーツモデル購入者層を強く意識して、シビックセダンの国内イメージを高める戦略であることは間違いなさそうだ。
ヨーロッパ向けセダンの生産はトルコ工場、北米向けはカナダ・オンタリオ工場、北米のインディアナ・グリーンズパーク工場で行い、イギリスにはスウィンドン工場があるか、セダンタイプRの開発拠点がどこに置かれるかが注目される。
5ドアタイプRを生産するスウィンドン工場で4ドアセダンを生産するならイギリスだろうが、5ドアが主力となるため、その場合セダンを日本でも生産する可能性が高く、だからこそ日本市場に復帰するということもある。
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シビックセダンタイプRの開発拠点は日本になるのか?
となると、セダンタイプRの開発拠点は日本という可能性も高い。それが意味することは、限定販売ではなく、カタログモデルになることを意味する。
日本で生産となればラインで流せるため、限定である必要はなく、必要に応じて供給できる。「限定販売」という言葉に弱い日本で、カタログモデルになるとどうか、という視点はあるが、いつでも買える安心感はある。
それよりも日本開発になると、やはり有利なのは性能だ。FC型と呼ばれる新型シビックは、新しいプラットフォームを採用し、従来のFK型よりもハイパワーに対応できると言われている。
FKが2L、310ps、40.8kgmなのに対し、新たに改良されるK20Cは、それよりもさらにパワーアップされるという情報もある。
海外の一部メディアでは2L、350psと報じているところもあるが、インプレッサを上回る。2L、320ps当たりになる可能性が高い。
高性能化にあたってはインタークーラーの位置変更(前方から上方へ)、エンジン搭載を前方排気後方吸気にする効率アップなど多くの改良でパワー系は向上するし、やはりタイプRの開発に日本の技術陣が関わってほしいという希望もあるだろう。
相当派手なエクステリアが予想できるが、ブレーキ系はFKと同じブレンボの大径、サスペンションも専用、インテリアも黒/赤配色のスウェード調というスタイルなど変わらないところだ。
八郷社長のセダン日本投入発言の中に、セダン市場がBMWやアウディなどのスポーツモデルに占有されている現状を打破するためにシビックを導入するという含みがあったが、真意はタイプRのようなスポーツセダンのならいけるという判断があるのではないだろうか。
登場は18年、価格は500万円あたりが有力。
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シビックセダン タイプR予想スペック
全長☓全幅☓全高(mm) | 4630☓1880☓1460 |
車重(kg) | 1350 |
エンジン | K20C型 直4 直噴ターボ |
排気量(cc) | 1995 |
最高出力(ps/rpm) | 320/6600 |
最大トルク(kgm/rpm) | 41.5/2500-4500 |
価格 | 500万円 |