スバル雪上試乗会の舞台となったのは北海道・新千歳モーターランドの特設コースとその周辺の一般道だった。
軽量コンパクトで低重心の水平対向エンジンと、左右対称の縦置きパワートレインがもたらす重量バランスの良さがスバルのシンメトリカルAWDの真骨頂だ。4WD方式は全4タイプあるが今回はMT用のビスカスLSDセンターデフ方式AWDを除き、全3タイプの車種が用意されていた。雪のラリーといえば1000湖ラリー。マクレ-の555インプレッサをイメージしながら試乗開始。
まずはアクティブトルクスプリット方式を採用するXV、インプレッサスポーツ、レヴォーグ、B4だ。前後トルク配分は通常60:40だが、油圧多板クラッチが路面状況によって前後四輪のトルク配分を制御する。前輪がスリップしそうな滑りやすいコーナーでは、後輪にしっかりトルクが伝わり不安定感なし。
アウトバック、フォレスターのXモードも秀逸。傾斜のきつい上り坂でもタイヤが空転せずにガンガン走る。
レヴォーグ、WRX S4のVTD-AWDは通常45:55とトルク配分がリア寄りだが、路面状況で最適化され、タイトコーナーや定常円旋回では回頭性の高さを見せつける。
オンロードのみならず雪上でも思い切り操れる楽しさを味わいたのがSTI。センターデフ構造を持つDCCDだけに回頭性、トラクションが自分の好みでセッティングでき、しかも電磁式LSDのロック率もロックからフリーまで6段階に切り替えることが出来るからだ。
スバルのAWDは全4タイプ
アクティブトルクスプリット方式AWD
●電子制御LSD(油圧多板クラッチ)、前後基本トルク配分60:40でロックまで可変
(車種)
レヴォーグ1.6Lモデル、インプレッサスポーツ(HV含む)、
インプレッサG4(AWD、リニアトロニック車)、XV&XV HV、
フォレスター(リニアトロニック車)、レガシィB4、アウトバック、
エクシーガクロスオーバー7
ビスカスLSD付センターデフ方式AWD
●ベベルギア式センターデフ(前後基本トルク配分50:50)、ビスカスLSD
(車種)
インプレッサスポーツ&G4の1.6LモデルのAWD、MT車、フォレスターMT車
VTD方式AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)
●複合遊星歯車(プラネタリーギア)式センターデフ(前後基本トルク配分45:55)+電子制御LSD(油圧多板クラッチ)
(車種)WRX S4、レヴォーグ2Lモデル
DCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)方式AWD
●複合遊星歯車(プラネタリーギア)式センターデフ(前後基本トルク配分41:59)、電磁式LSD+トルク感応型機械式LSD
(車種)WRX STI