今から50年前の1960年代後半、日本でベストセラーの座を競ったのが日産のブルーバードとトヨタのコロナだ。59年に誕生したブルーバードは、初代310系が大ヒット。マイカー時代の到来を告げ、日本の風景を変えた。
2代目の410系ブルーバードはピニンファリーナの作品と言われる車だ。発売から半年後の64年4月には日本で初めて月産1万台を超え、ベストベストセラー街道突っ走る。が、尻下がりのデザインは賛否両論だった。
東京オリンピック直前の9月、トヨタは満を持してコロナをモデルチェンジする。3代目のRT40系はストレート基調のモダンなデザインで、主役は1.5Lモデルだ。性能的にも1.2Lのブルーバードを大きく上回った。
発売と同時にブルーバードから首位の座を奪ったコロナは、66年11月には1万7000台に迫る販売を記録。登録台数の新記録を打ち立てている。
また、日本初の2ドアハードトップや5ドアセダンを加えるなど、ワイドバリエーションを誇った。トヨタをメジャーブランドに押し上げたのは3代目コロナだ。
反撃の機を伺っていたブルーバードは、67年8月に3代目の510ブルーバードを送り出す。デザインだけでなくエンジンやサスペンションを一新し、再びコロナからベストセラーの座を奪い返した。この販売合戦が世に言うBC戦争だ。
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現行車のライバル対決は?
ブルーバードとコロナは70年代以降、今一歩の販売にとどまっている。ブルーバードシルフィにバトンを託し、コロナも90年代からはプレミアを名乗りどちらも地味な存在となった。
埋没してしまったが、プレミオはコロナからの伝統を受け継ぎ、今も小型車枠のボディサイズを守り通している。
この心意気が熱狂的なファンを生み、乗り継ぐユーザーが多い。今年に入って大掛かりなマイナーチェンジを断行。安全装備のトヨタセーフティセンスCも盛り込んだ。
安全&運転支援装備の追加などで、プレミオは再び息を吹き返した。販売面でもシルフィとの差を広げている。華やかさはないが、トレンドに流されない円熟のセダンだ。