サニーとカローラが産声をあげたのは、今から50年前の66年だった。春に日産がサニー1000を、秋にはトヨタカローラ100を送り出している。
半年遅く登場したカローラは、ライバルのサニーより見栄えが良い。性能的にも「プラス100ccの余裕」を感じさせた。
発売されるや、瞬く間にコロナからベストセラーの座を奪取し、連勝街道を突っ走っている。サニーも2代目のB110系が「隣の車が小さく見えま~す」と反撃した。
また、モータースポーツで活躍するなど、スポーティ度でも圧倒する。が、販売面ではカローラの後塵を拝した。
カローラはサニー以上に積極的にバリエーションを拡大していく。DOHCエンジンを積む硬派のレビンを投入し、マルチパーパスのリフトバックやスタイリッシュな4ドアハードトップも設定している。
ユーザーニーズを心得た心憎い演出に加え、強烈な販売力も後押しし、日本市場で33年連続ベストセラーの金字塔を打ち立てた。
サニーは5代目でカローラに先駆けFF化に踏み切り、85年秋に登場した6代目のB12系は「トラッドサニー」の愛称でファン層を広げている。だが、カローラを追い越す事は出来ず、9代目を最後に車名は途絶えた。
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現行車のライバル対決は?
カローラは00年に9代目となったが、この時に「ニュー・センチュリー・バリュー」を掲げている。
クラスを超えた快適性と新しい価値観を盛り込んだが、ボディサイズは小型車枠とこだわった。次の10代目からセダンは「カローラアクシオ」を名乗っている。現行の11代目は原点回帰を図り、初めてダウンサイジングに踏み切った。
サニーの後継セダンがタイから送り込まれているラティオだ。現行モデルは12年にティーダラティオからバトンタッチされた。
キャビンは広いが、目が肥えている日産ファンには縁遠い存在となっている。累計4000万台を超える生産台数を記録し、日本のユーザーのために専用設計としているカローラとの志の違いはとても大きい。
- 大衆車の時代が到来し、カローラとサニーが66年に誕生。カローラはサニーよりも排気量が100cc大きい1100ccエンジンを搭載。1Lクラスのエンジンで競い合った。
- トヨタカローラアクシオ
1.3Lと1.5Lのガソリン車、燃費33.8km/Lの1.5Lハイブリッドを設定。価格146万6837~195万4800円。 - 日産ラティオ
1.2L直4エンジン(79ps)を搭載。JC08モード燃費22.6km/L。価格146万160~178万9560円。