70年代のTE27以来、レビン/トレノはトヨタを代表するスポーツモデル。レースやラリーでも常に第一線で活躍。コンペティション志向の強い走り屋を魅了し続けた。
その頂点が、FRのAE86、FFのAE92あたり。AE86に人気があるのは漫画のせいだけじゃない。
一方、その独走に待ったをかけたのが、ZCツインカムからVTECエンジンに進化するあたりのシビックだ。
こちらはモータースポーツ活動はサーキット専門だったが、強力なエンジンと軽量ボディでレビン/トレノを追走。峠などの公道バトルでも絶好のライバルだった。
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現行車のライバル対決は?
現行のトヨタ86は、その名前の通りAE86へのオマージュとして企画された、ある種ノスタルジック路線のFRスポーツ。単純な速さを追求するのではなく、ドライビングそのものが楽しい車を目指している。
その背景には「ランエボvsインプSTI対決」の反省がある。速さを極めようとすると、一般ユーザーを置き去りにしたマニアックなテクノロジー競争になりがち。それを戒めるのが、オーソドックスなFRにこだわる86の車作りなのだと思う。
対するシビックは、現行モデルで「タイプR」が限定復活。86とは対照的に、こちらのコンセプトは明確に「速さ」で、「量産FF車ニュル最速」という分かりやすいテーマを掲げている。搭載する2L直4ターボエンジンは最高出力310psを発揮する。
ただし、実際に乗ってみると意外なことにシビックタイプRの方はあらゆる面で洗練されていて、車全体のクオリティ感が高い。やっぱり目標は高い方がいいのかも。
- トヨタカローラレビン/スプリンタートレノ(87年)vsホンダシビック(87年)
80年代を中心にテンロクスポーツが当時の若者の間で人気に。その中でも、レビン/トレノとシビックはツーリングカーレースでも、峠でも人気を二分するライバルだった。 - トヨタ86
207ps(MT車)を発揮する2L水平対向4気筒エンジンを搭載。価格262万3320~325万800円。 - ホンダシビックタイプR
昨年10月に国内750台限定で発売されたタイプR。310ps/40.8kgmを発揮する2L直4ターボエンジンを搭載。価格428万円。