気筒休止エンジン:使わないシリンダーは休ませる新技術
燃費の悪さでは有名なアメ車のキャデラックセビルに突如現れた気筒休止エンジン(1981年)。要するに高速クルージングなど負担が少ない時にいくつかの気筒を休ませて燃費を稼ごうというものだ。
国産で最初に搭載したのは、三菱ミラージュ(1982年)。現行モデルではレジェンドなどが採用している。
アルミボディ:スチールからアルミボディへ軽量化最大の功績
ボディ重量が軽ければ燃費も改善できる。そんなことからアルミボディへの期待はかねてから高かったが、アルミの扱いにくさから当初はボディの一部に使用されるにとどまっていた。
しかし製造技術の進化と優れた接着剤が開発されたことにより、車にも積極的に採用されるようになった。国産では初代NSXがフルアルミボディだ。今後はボディにおけるアルミ比率が高くなるはず。
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可変バルブタイミング:バルブタイミングを全域で最適化
バルブが開いたり閉まったりするタイミングを低速と高速で使い分け、燃費と燃焼効率をアップさせようというのが可変バルブタイミング機構。
国産では1989年、VTECがその口火を切った。アトキンソンサイクルエンジンの不可欠な要素なので今では多くのエンジンで採用されている。
DCTミッション:ツインクラッチでエネルギーロスを軽減
CVTもエンジン効率をうまく活かすために生まれた技術だが、DCTはそれよりも新しいトランスミッション技術だ。
レース仕様は以前からあったが(ポルシェ・ドッペルクップルング)、市販モデルでは2003年4代目ゴルフが初採用。
ECOドライブインフォメーション:メーターに表示されるだけでECO運転を意識
1997年の初代プリウスには燃費の良し悪しを表示するマークがインパネのモニターに表示されたが、以後、世の中が燃費を気にするようになると、多くの車で様々なECOマークが表示されるようになった。この手のインフォメーションがあることでドライバーも省エネ運転を意識する。
エネチャージ:もったいない精神が生み出した機構
2012年に発表されたスズキのエネチャージは、発電の為に無駄なガソリンを使わないというのがコンセプト。そのために減速エネルギーを電気に変えてバッテリーに蓄えている。
ECOタイヤ:転がり抵抗を低減した新時代のタイヤ
1993年フランスのミシュランが、自然の砂に含まれるシリカを配合することで分子間の摩擦を低減させたグリーンXを発売。
以来、転がり抵抗を低減させた低燃費タイヤは様々なメーカーからリリースされている。ブリジストンのECOPIA、横浜タイヤのDNA ECOなどはよく知られる低燃費タイヤと言える。
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多段AT:段数を増やして細く駆動力を伝達
従来からあるトルコン型のATはスムーズなつながりが得られるものの、流体を通してパワーを伝達させていたため燃費は不利だった。
しかし近年そんなトルコン型ATも多段化が進むと共にロックアップ技術が進化して効率アップ。燃費も改善されている。レクサスLCは何とアイシン製の10速トルコン型のATを搭載している。
CVT:トルコンATの弱点をカバーした
連続的に変速することができるCVT。駆動力を途切れさせることなく走行できるのでエンジンパワーを無駄なく使え、燃費も良くなる。
すでに多くのコンパクトカーに採用されているミッションだ。国内で最初に搭載されたのは1984年に登場したスバルのジャスティ。
アイドリングストップ:10%は平均燃費が良くなる
まだアイドリングストップ機構がなかった頃、東京から小田原まで一般道を使い信号で止まるたびにエンジンを切って燃費を測ってみたところ、その時の結果はアイドリングストップをすると燃費が10%改善された。今では多くの車が採用している。国産初搭載は1981年のスターレット。
リーンバーンエンジン:燃焼のあり方そのものを見直したテクノロジー
リーンバーンとは燃費を良くするために、通常よりも少ないガソリンで燃焼させること。具体的には理論空燃比の14・7対1よりも薄い燃料でエンジンを動かす。車では1990年代、低負荷時に行うものが登場した。
直噴エンジン:三菱のGDIが口火を切った省エネエンジン
かつてキャブレター式の車はキャブレーターで作り出した混合気をシリンダーに送り込んで燃焼させていたが、直噴エンジンとはシリンダー内にノズルを設け、そこから直接ガソリンを噴射させ燃焼させるもの。
実際搭載されたのは第二次大戦のメッサーシュミットで戦後はそのシステムを流用してベンツ300SLにも搭載された。
量産車としては1996年、三菱のGDIが世界初となり、世界中の技術者を驚かせた。今では各社直噴エンジンを持ち、多くの車のエンジンが直噴になっている。