レース直径パフォーマンス型HV搭載で700~800ps発揮!
トヨタのブランドイメージの一、そのエボリューションの打ち上げ花火と言うべきビッグプロジェクトが本格的に動き出した!
67年登場のトヨタ2000GT、そして10年登場のレクサスLFA。
この2台は、トヨタがその当時持てる技術の粋をすべて注ぎ込み、販売綿度外視で世に送り出したオリジナルシャシーのスーパースポーツモデルだ。
この2台に続く、GRブランドによる完全新開発のミドシップハイブリッドスポーツのコンセプトモデルが早くも18年1月の「東京オートサロン2018」で姿を現す。
それが「GRスーパースポーツコンセプト」。
そのフォルムはいかにもレーシングカー直系のスーパースポーツらしいエクステリアだ。
この市販車には世界耐久選手権(WEC)参戦でトヨタが培ってきた技術がフィードバックされ、参戦マシンである「TS050 HYBRID」のテクノロジーが投入される。
TS050 HYBRIDは2.4L直噴ツインターボにモーターを組み合わせた1000ps超のパフォーマンス型ハイブリッドを積んだレーシングカー。
このGRハイブリッドスポーツでは量産仕様となるため、パワートレーンにはレーシングカーのでデチューン版が搭載されそうだ。
パフォーマンス型ハイブリッドユニットを搭載した市販車といえば、11年に登場した限定車のポルシェ918があるが、これはV8、4.6Lエンジンに前後のモーターを組み合わせ、システム出力887psを誇っていた。
GRハイブリッドスポーツは耐久性や実際の日常での使い勝手を含め、700~800ps/最大トルク70kgm級のスペックに落ち着くとみられる。
エンジン排気量はどれくらいになるかはまだ決まっておらず、現在様々な可能性を探っていると言われる。
20年には登場するとみられるが、3500万円ほどと予想される価格を含め、詳細はまだわかっていない。
そもそもGRブランドは17年9月、トヨタのモータースポーツ活動から得られた知見を市販車開発にフィードバックするために立ち上げられた。
ヴィッツGRMN、86GRなど既存の市販車をベースとしたコンクリートスポーツモデルの販売からスタート。
その発表会の席上、GRカンパニーのプレジデントは「GRカンパニーで専用プラットフォームのオリジナルスポーツカーを作り上げる」とプレゼンしていた。
では、GRハイブリッドスポーツは具体的にどのようなモデルとして登場するのか。
17年12月、富士スピードウェイで開催されたトヨタのファン感謝デー、「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2017」。
ここで、GRハイブリッドスポーツの将来的な方向性を端的に感じさせる出来事があった。
このイベントでは、WECマシンをTS050 HYBRIDのデモ走行が披露されたのだが、この際、プレジデントはTS050 HYBRIDを非公式に自身の手でドライブしていたのだ。
ブレーキ回生で貯めた電気を急加速時にうまく使うドライビングが求められるマシンだったが、プレジデントはクルマのスタビリティの高さを実感できたという。
自身がハイブリッドマシンのレースカーを体感したことは、市販車となるGRハイブリッドスポーツの開発に大きな影響を与えることは間違いない。
このハイブリッドスポーツのシステム自体はTS050よりも量販車の技術に近くなるだろうが、2.4Lクラスエンジンで大パワーを得るよりもV8エンジンとモーター、というようなポルシェ918に近いシステムでのPHVととなることが予想される。
そうであれば700~800psでもシティモードではEV走行が可能になり、トータル燃費を大きく向上できる。
17年9月のGRブランド発表会で流されたCG映像に、TS050 HYBRIDが走行中に市販車となって都市高速を駆け抜けていくシーンがあったが、今回のコンセプト発表で実現に向けて大きく動き出したのは間違いない。
トヨタが次世代のスーパースポーツをどう作り上げるか?
その答えは2~3年後に出る。