●ライバルは欧州プレミアムモデル!
6月にフルモデルチェンジに匹敵する大変更受けたアウトランダーPHEV。その狙いはエクステリアの変更にとどまらず、欧州での販売強化を狙った、乗り味の大幅改良にあった。
開発陣曰く、MC前モデルは社内で購入希望者が少なかったという。デザインを一新した新型は社内から好評で、購入希望者も大幅に増えたという。
アウトランダーPHEVはデビュー当初から大きなポテンシャルを持っていたと思う。環境と実用性を高いレベルで両立できているからだ。しかし立ち上がりの重要な時期にバッテリーを生産する工場で起きた人為的なミスにより、バッテリーの発熱問題を出してしまう。これで販売も宣伝もできなくなり、事実上の休眠状態に。加えて初期型にありがちなサスペンションの弱さ(リヤダンパーのブッシュがゆるゆるになってしまう)といった課題など出てきたため、販売再開したのに伸び悩んでしまう。
一方、三菱自動車からすればPHEVを基幹技術として販売していきたいところ。もはやバッテリーの品質問題は解決。リヤダンパーのブッシュも大幅な変更により解決してきた。しかも改良したら乗り心地が大幅に良くなったという。Dレンジをセレクトして走り出すと、前後2つのモーターだけを使い滑らかにスタート。EVですね。電池残量ある状態だと、航続距離にして40kmプラスアルファくらい電気だけで走ってくれる。40km走行時の電気代は、およそ100円(夜間電力)同じ距離をハイブリッドモードで走ればガソリン代500円といったイメージ。毎日40kmまでの移動なら格安のエネルギーコストで済む。もちろん電気自動車モードで走行中だってエアコンきっちり効きます。このあたりの使い勝手、初期型から全く変わっていない。PHEVならではの面白さか。
●開発陣が突き詰めた乗り心地の改良
開発陣一押しの乗り心地である。前期型は路面の細かい凸凹を拾ってしまうため、絶えず細かい振動を感じた。コーナリングに代表される「大きな入力起きた時の足回りの動き」は悪くないのだけれど、日常に必要なしなやかさを持っていませんでした。静かなEVモードだと、なおさらドタバタ感が気になってしまう。開発陣も認識しており、今回きっちり対応させてきた。なるほど100点でこそないものの、前期型と全く違う。同じ道を走り比べてみたら、2ランクくらい上質の車に思えるほど。低速走行時の微振動もう少し対応できれば、輸入車と勝負したって負けないレベルになることだろう。
●満充電で一般家庭1日分の電気が使える
今回、スターキャンプで1晩アウトランダーPHEVを使ってみた。この車があれば100ボルトの家電製品をそのままキャンプに持ち込める。電灯類は言うに及ばず、ホットプレート使っての焼肉なんか余裕。お湯を沸かすのだって簡単だ。夜間に冷え込む秋のキャンプであれば電気毛布など使える。これらの電気をエンジン始動させることなく供給できるんだから素晴らしい!三菱がきちんと楽しさをアピールできれば売れると思います。
●キャンプで大活躍。スロットカーだってできる
アウトランダーPHEVは駆動用バッテリーから最大1500ワットの電気が使える。1500Wというと一般家庭の1日分。ガソリン満タンで、バッテリーチャージモードを選択すれば、エンジンが発電機になり、なんと最大10日分の電気が使える。100VAC電源はフロアコンソール背面とラゲッジにある。テントサイトで、白熱のスロットルカーバトルができるのもアウトランダーPHEVならではの楽しみだ。
【アウトランダーPHEV価格表】
M:359万6400円
G Safety Package:388万2600円
G Navi Package:423万3600円
G Premium Package:459万円
【アウトランダーPHEV Gナビパッケージ】
全長☓全幅☓全高 |
4695☓1800☓1680mm |
ホイールベース |
2670mm |
車両重量 |
1880kg |
エンジン |
直4DOHC MIVEC |
排気量 |
1998cc |
最高出力 |
118ps/4500rpm |
最大トルク |
19.0kgm/4500rpm |
モーター最大出力 |
フロント82ps/リア82ps |
モーター最大トルク |
フロント140kgm/リア19.9kgm |
JC08モードハイブリッド燃費 |
20.2km/L |
EV走行距離 |
60.8km |
価格 |
423万3600円 |