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三菱が日産の傘下に!クルマはどう変わるのか

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自動車業界再編と見るべきなのか。トヨタがダイハツを完全子会社化し、スバルと提携する一方で、日産が三菱を傘下に収める。もしかすると三菱の燃費に関する不祥事は仕掛けられたものだったのかもしれない。それはともかく、両社の提携でクルマはどう変わっていくのだろうか。

日産・三菱 協業が考えられるジャンル

●軽自動車:デイズ、デイズルークス、eKワゴン、eKスペース
現在、販売中止されいる現行モデルだが、新たにテストを行い正当な手続きを経て市販再開か?今後また新しい軽自動車を開発か。

コンパクト:マーチ、ノート、キューブ、ミラージュ
グローバル戦略として、Aセグメント、Bセグメントを統合していく可能性あり。

SUV:ジューク、エクストレイル、パジェロ、アウトランダー、デリカ、RVR
SUVクラスも統合が進む可能性がある。共通プラットフォーム、エンジン、パワートレーン、あるいは車体すべてを共用化し、OEMで併売される車種もありそう。

EV:リーフ、i-MiEV
両モデルともにライフが長く、そろそろ新しいEVの導入の可能性も高く、両モデルの中間的サイズが有力。

それぞれの得意ジャンルを生かすと

まずは軽自動車。現行車に不正が発覚した軽自動車だが、現在、日産車の販売台数の約30%を占める。日産と三菱の合弁会社NMKVが企画し、開発、製造を三菱が委託されているわけだが、今後もNMKVは継続しながら、開発の主導を日産が担う方針が示されている。一時は日産が独自に軽自動車を生産すると言われたが、三菱の水島製作所を日産が買い取らなければ事実上は困難だった。

そうなると提携後もeKワゴン/デイズ、eKスペース/デイズルークスは改良版を出すことになるだろうが、次のステップとして両メーカー向けに新しいジャンルのニューカーを送り出す可能性が高い。これまで噂されていたのは、人気のハスラー的な要素を持った、かつてのパジェロミニのようなSUV。これを三菱と日産で販売するというものだ。三菱の軽開発ノウハウを日産が管理していくことで、いずれ、日産、三菱両ブランドの軽自動車が登場することは間違いない。

次にコンパクトカークラス。このジャンルは現在、日産の方が圧倒している。ノート、キューブに加え低迷しているとはいえマーチがある。対して三菱ミラージュ。マーチは次期モデルでフランスのルノー工場で生産されることが決まっているが、将来ミラージュとのプラットフォームの共用化などが進められる可能性もある。

タイでは三菱ブランドの人気は高く、日産と市場での協力関係を深めることで、タイの生産工場の効率化を図りたいところだ。そうなると、一つのエリアで二つのマーチとミラージュは必要なく、フランス生産に移すマーチの新型を次のミラージュとしてタイ生産すれば効率がいい。日産のタイ工場では逆に三菱のピックアップなどを作ることで両社の東南アジアでの販売を拡大させることができる。

そして、日産と三菱が最も進んでいるEV分野はどうか?日産のリーフの登場は2010年。三菱のi-MiEVは2009年。2車ともに6年、7年とEVでなければライフサイクルを終了し、次のモデルは用意されてもおかしくない。しかし、両モデルとも次期モデルの情報が無い。リーフやi-MiEVに加え、新しいEVの動きはある。日産は新しいEV投入計画を実際に持っているし、今後1~2年で加える予定だ。三菱は新しいEVを作る余裕はないが、日産と組んで、ルノーゾエのようなコンパクトなEVを導入すれば、これもバッジ違いで両立できるモデルとなる。

デザイン的にi-MiEVは評価が高く、その兄貴分として、同じグループとなるルノーなどと部品やシステムの共用化が図れれば、日本市場でも戦闘力の高いEVを日産と展開することはあり得る。

三菱の復活はイメージリーダーが必要だ

注目なのはSUV。カルロス・ゴーンCEOが発言しているように、パジェロ王国を築いた三菱はこのジャンルが強い。しかも、アウトランダーPHEVではEVベースの新しいシステムを開発し、重量のあるSUVの燃費改善を果たした。日産もエクストレイルHVで、燃費の改善を図るものの、このミドルサイズのSUV、それに、大型SUVではディーゼルエンジンを含め、三菱に一日の長がある。

だが、日産も新しいHVをノート、セレナで開発中。このシステムとアウトランダーのPHEVを組み合わせ、新規のハイブリッドSUVが出てくる可能性もある。

日産は上級SUVから日本市場では撤退したものの、アルミボディになると予想される新型パジェロをベースとしたサファリやインフィニティブランドの上級SUVを作れば部品の共用化などでコスト削減し、利益率の高いプレミアムSUVでもできる。

4WD技術にもカルロス・ゴーンCEOが言及しているが、ラウンドランサーエボリューションやアウトランダーなどに使われるアクティブヨーコントロールシステム(AYC)など、今後の4WDスポーツモデルにとって重要なテクノロジーもある。仮に三菱が日産の指導によりSUVと軽自動車に特化したとしても、この4WD技術は生き残っていくだろう。

三菱のビッグネームは残っていく。もちろん、デリカなどの多目的SUVも生き残っていく可能性は高いが、是非期待したいのは、三菱のイメージリーダーカーの登場だ。

やはり年間100万台を生産するメーカーとして、技術力の誇示という点でもSUV、軽自動車の枠を超えて必要だろう。

例えば、ミニGT-Rともいえるランサーエボリューションの復活とか、ポルシェマカンやメルセデスベンツGLAのAMGのようなスポーツSUVをランサーエボリューションベースで作るとか、三菱の4WD技術をアピールするようなミドルクラススポーツはやはり重要だ。

現在、地に落ちた三菱を待ち受けているのは現実だ。これから失った信頼回復のために大きな犠牲を払拭しなければならないが、これから3~4年後、負の遺産を清算した後、日産とルノー・三菱が世界の自動車業産業のトップ集団を走る日は来るのか?

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