ジウジアーロがデザインした事でも話題になった初代マーチ。その誕生から今年で34年、年末には5代目に生まれ変わることになる。1代あたりのライフサイクルが長いことで、その人気ぶりがうかがえるが、現行の4代目K13マーチに関しては、ライバルが燃費競争に走るなか、出遅れた感がある。
現行マーチの日本仕様車はタイ生産分が振り分けられるが、ヨーロッパ向けはこれまで、インド・チェンナイのルノー日産ブランドで作られてきた。しかし、ニューモデルからはフランスのパリ近郊、フラン工場で生産されることが決まっている。
既に南ヨーロッパで行われているテスト走行も最終段階。最近よく見かける「柄模様」ではなく、厚いパッドに覆われたテスト車の姿が撮られている。
それから分かることは、昨年のジュネーブショーで公開された「スウェイ」をそのまま量産化するということだろう。Vモーションと呼ばれるフロントグリルや特徴的なC型のテールライトなど、スウェイの特徴をそのまま市販モデルに生かしている。
サイズはスウェイが全長4010mm、全幅1780mm、全高1385mm、ホイールベース2570mmと発表されていたが、マーチでは全長が4m以内の3980mm、全幅は5ナンバー枠ギリギリの1695mm、全高は1450mm程度と予想される。
現行マーチよりも少し大きくなりそうだが、居住空間の確保、グローバルな商品性という点からも大きくなることは避けられないはず。
プラットフォームは新しい日産のCMF(コモン・モジュール・ファミリー)のBセグメント用で、ルノー・ルーテシア(クリオ)等と共通のものになる。
エンジンについては未確認ながら、テスト車はヨーロッパ仕様の1.6L3気筒のほか、1.5L4気筒の設定が有力。しかし、競合ひしめく日本マーケット用として1.5L NAの代わりにルノー・クリオに用意されている3気筒0.9Lターボ(90ps)や1.2L4気筒ターボ(120ps)あたりを搭載し、燃費と走りの両立を図る可能性ももちろんある。
軽自動車が販売の主力となりつつある日産だが、セレナ、マーチ、ノートは販売面でも重要な戦略車種。マーチの現状は何としても改善したいところだろう。
現行モデルとは打って変わって未来的なデザインに生まれ変わるマーチ。生産はタイなのか日本に戻すのか、まだ情報は入手できないが、もうすぐ誕生するノートハイブリッドのようなシリーズハイブリッドの投入を考えるなら日本生産に切り替えられる可能性は十分ある。
価格的にはベーシックグレードが120万~130万円。メイングレードは150万円程度となるだろう。9月のパリサロンで公開し、発売は年末が有力だ。
新型マーチ予想諸元
全長☓全幅☓全高(mm) | 3980☓1695☓1450 |
ホイールベース(mm) | 2570 |
エンジン | HR12DE 3気筒 DOHC、1198cc |
最高出力(ps/rpm) | 80/6000 |
最大トルク(kgm/rpm) | 11.0/4400 |
JC08モード燃費(km/L) | 25.0 |
価格 | 120~150万円 |