4輪車のエンジンで4気筒といえば「直列4気筒」が一般的。スバルは伝統的に「水平対向4気筒」を採用するため、日本では比較的一般的なイメージだが、世界的には特殊なエンジンレイアウトだ。
このほかV型4気筒というレイアウトもある。4輪車ではランチアフルヴィアやフォードコルセアなどがV4エンジンを搭載していたが、現在では搭載車はない。一方V4は二輪車ではホンダ、ヤマハ、スズキなど国内各メーカーもラインアップしており、400~750ccクラスのスポーツタイプに多く採用されている。
二輪車の場合、進行方向にVバンクを配置することで2気筒エンジンなみのエンジン幅を実現できるため、車体を傾けて走る2輪車ではバンク角を大きく取ることが可能でこれが大きく有利となるのだ。
V4は振動面では一次、二次ともに直4よりも少なく有利。等間隔燃焼にはならないため、特徴的な排気音となるが、回転フィールは特に高回転では直列4気筒よりもスムーズなのだ。
4輪車ではどうかというと、ポルシェがWBCに参戦する最新の919ハイブリッドに2L、V4エンジンを採用するが、一般的な乗用車の場合、振動面で有利な60度Vバンクを採用することで、左右にシリンダーが広がりスペース面でV6と大差なく、動弁系も2組必要となるなど構造が複雑でコストもかかるためあまり現実的ではないだろう。