日本に導入される 三代目TTは基本的に3タイプで、 クーペがTTとよりスポーツ性の高いTTS、それにオープンの ロードスターとなる。 ロードスターは従来からの 2L直噴ターボながら 211 ps、 37.7kgmへと アップ。 TTSでは286ps、38.8kgmへと達する。 それに加えこの三代目では、 アルミを多用化した 軽量化により 燃費の向上と性能の引き上げにも成功し、 アウディのおかげでもある クワトロはドライブセレクト、 マグネティックライド(TTS) と呼ばれる新たな制御システムにより、高度な走行を手に入れている。
実際にテストがおこなわれた 北海道の十勝スピードウェイでは、3タイプの違いが確認できた。 特にTTとTTSの パワーの差は 如実で、 滑りやすいウェイトコンディションでよりわかりやすい。ベースとなるTTでも 十分なパワーとトルクでグイグイ加速するし、 コーナー手前での減速も軽い踏力で予想以上に初期の応答感はいい。 286psのTTSで ドライブセレクトをダイナミックにして マニュアル操作で走ると、 シフトアップ時に 切れ味のいい破裂音を発しながら加速し、まさにスポーツ走行を満喫できる。
ノーマルよりも 56 ps 高い 286 psは、 ウェットでは ノーマルと同じように アクセルペダルを踏んでもコーナー立ち上がりでは、 ウエットグリップのすぐれるコンチネンタルのスポーツタイヤ、 コンタクトp5Pを持ってしても、 舵角が残っていると 斜めに滑りながら加速するといった感じで、雨天ではTTの方がコントロールしやすい。ただ、TTもTTSもハンドリングは奥行きが深く、ウェットでも十分なストロークのあるサスでブレーキング時もコーナーリング時も安定感が高い。全ては制御技術の高さによるところが大きいが、 全体として、 三代目は全てにわたり洗練されたと言えるものだ。
日本ではスポーツターボが死滅しようとしている 現在、 世界では積極的に使ったスポーツモデルが次々に生まれ、その完成度が高い事を知ると、ターボで一時代を築いた日本車の方向性のヒントになるのではないか。
【アウディTTクーペ クワトロスペック】
全長 | 4180mm(4190mm) |
全幅 | 1830mm |
全高 | 1370mm(1370mm) |
ホイールベース | 2505mm |
エンジン型式 | CPY型直列4気筒DOHC直噴ターボ |
排気量 | 1984cc |
最高出力 | 230ps/4500~6200rpm (286ps/5300~6200rpm) |
最大トルク | 37.7kgm/1600~4300rpm (38.8kgm/1800~5200rpm) |
JC08モード燃費 | 14.7km/L(14.9km/L) |
価格 | 589万円(768万円) |
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