スーパースポーツの世界には、それを生み出す各社の哲学が常に強くアピールされる。スーパースポーツとしてのデザイン、そしてエンジニアリングの斬新さが最も強く感じられるのはBMWのi8。その姿を初めて見た時の感動は、かつてあのスーパーカーブームのなかで、ランボルギーニカウンタックの存在を知った時のそれにも似ている。
実際の走りにも、これまでのスーパーカーにはない独特なフィーリングがある。i8はエレクトリックモーターが前輪を、ガソリンエンジンが後輪を駆動する4WDモデル。パワーフィールは間違いなくスペック以上のものだし、徹底した軽量&低重心設計によってコーナリングも楽しい。
メルセデスAMG GTは、このi8とは対照的に、これまでの伝統的な手法を継承し、究極の運動性能を得たスーパースポーツといった印象だ。搭載されるV型8気筒ツインターボエンジンは、ターボラグなどという言葉とは一切無縁。アクセルペダルを踏み込めば、瞬間的に暴力的な加速Gに全身をおそわれる。
3月26日に日本発表となった二代目アウディR8は、アルミニウムとカーボンによるハイブリッド構造のフレームの強靭さ、そしてアウディが伝統とする4WDの駆動方式が生み出すスタビリティ、そして快適性が最大の魅力だ。