以前のこのクラスは、ボクシーなややオフロードよりのデザインで左ハンドルしかなかったGLKが一人負け状態で、X3とQ5がしのぎを削っていたが、16年2月に日本導入されたばかりのGLK改めGLCは「これは売れる!」と誰もが確信する程商品力をアップしてきた。
最新のメルセデスらしい官能的で洗練されたエクステリア、高級感のあるインテリアなどデザインでは最下位からトップに踊り出た感があり、右ハンドルも用意。乗って見てもプラットフォームを共有するCクラスよりいい部分があるぐらいだ。というのも最近のメルセデスはBMWのお株を奪うほどスポーティさを強調していてCクラスは乗り心地が硬めになる傾向があるのだが、サスストロークのあるGLCだとそれがちょうどよく緩和されて、スポーティさと快適性のバランスが絶妙になっているのだ。
X3のステアリング操作に対するリニアな反応や正確性はさすが。世代の新しいGLCに総合評価では譲るが駆け抜ける歓でナンバー1なのは間違ない。なお、動力性能では3位になってしまうが、28iなら同じ2.0L直噴ターボでもほかと同等レベルになる。
Q5はデビューから10年と時間がたっていること、操縦安定性がピカイチながら少し乗り心地が硬めなことで総合3位に甘んじているが、SUVの大切な部分でもあるクワトロは一日の長がある。
このクラスは乗用車のメインストリームになる位の勢いがあり、各メーカーとも気合いが入っているが、後から出てきたものほどよくなっているのはたしか。
X3とQ5はほぼ横並びで、数年分の優位性があるGLCが頭ひとつ抜け出した格好だ。