昨年秋に6年ぶりにポロGTI、ゴルフGTI、ゴルフRに設定された6速MTモデルの試乗車がようやく出揃ったので比較試乗した。
VWの6速MTはインプットシャフト一本、1~4速のアウトプットシャフト、5~6速&リバースのアウトプットシャフトで構成される「3軸構造」を採用。全長を短縮しながら多段化を実現。ギヤボックスハウジングは軽量のマグネシウム製だ。当然3車それぞれの特性に合わせてギア比や強度などが異なる。
まず、末っ子のポロGTIの6速MT。1.8L直4ターボは192psと7速DSCモデルと変わらないものの最大トルクは7速DSGの25.5kgmから32.6kgmに向上。
身のこなしが軽く自分の思い通りに操れる人馬一体感、気持ちいいシフトフィールは文句なし。試乗している最中、心臓がバクバクするほど痛快な気分だった。それでいて走りの上質さは忘れていないのも評価すべき点だ。
次に220ps/35.7kgmを発生する2L直4ターボを積むゴルフGTI。ポロGTIから乗り替えると車格があがった分、懐の深いGTカーという印象が強くなる。とはいえ、やはりそこはゴルフGTI、トルク感たっぷりで1速、2速、3速・・・とリフトアップしていくと、6速DSGでは味わえない人馬一体感に思わずうれしくなった。
さらに史上最強のゴルフとうたわれるゴルフRは280ps/381079ジターボに言わず制御式の鞄クラッチを使う電子制御4wdが組み合わせれているゴルフRは280ps/38.7kgmの2L直4ターボに油圧制御式の多板クラッチを使う電子制御4WDが組み合わされている。
このゴルフRは上質さを備えながらもゴルフGTI以上にサーキットで速くガンガン走れる性格ゆえ、ワインディングでは少々持て余し気味だった。この3台の6MTモデルのなかで一番良かったのはリトルギャングという言葉がふさわしいポロGTI。3台の6速MTモデルとも秀逸だった。