2L、RHTの追加で、さらに人気が増しそうなマツダロードスター。アルファ版も年内に登場するなど進撃が続く!
3月中旬マツダは車名を明かさず「何らかの新型車」をNYショーで発表すると言っていた。その車こそがロードスターRHT(リトラクタブルハードトップ)だ。
ロードスターRHTは06年8月、先代NC型の登場1年後に新設定されたモデル。わずか12秒で自動開閉する電動格納式ハードトップで、その利便性と快適性、それに防犯性が評価され、人気を博した。
現行ND型はシューズボックス内にRHT用のヒューズソケットがあり、いずれRHTが追加されることは周知の事実だったが、ニューヨークショーでいよいよ市販モデルが登場。日本では10月頃の発売が見込まれている。
先代ロードスターRHTルーフはマツダとドイツ・ベバスト社との共同開発。ルーフの素材は樹脂でアウターパネルはSMC(シートモールディングコンパウンド)、インナーパネルはGFPP(グラスファイバーポリプロピレン)を使い、ソフトトップ車との重量差をわずか37kg増に抑えていた。
現行型も同様の素材、システムが採用されることになるが、先代では3分割だったルーフが現行型ではBピラーの下側を折りたたむ動作を加えた4分割になり、開閉動作がよりスムーズになるとともに、ルーフの収納スペースもより小さくすることができる。12秒を誇った開閉動作もさらにスピードアップするはず。
注目は何といってもエンジンだろう。日本では1.5Lのみのロードスターだが、北米では2Lのみをラインアップ。131ps/15.3kgmの1.5Lに対し、SKYACTIV-G2.0は155ps/20.5kgmを発生。
ちなみに北米の2Lロードスター6MT車の重量は約1058kgで、日本の1.5L車よりも38kg重い。これはほぼエンジンの重さの違いで、日本仕様では50:50となる前後重量配分が53:47になる。
パワーよりも軽さ、速さよりも走りの一体感を狙って作られているロードスターは1.5Lこそが真の姿。開発陣はそう言ってはばからなかったが、重量が増すRHTの追加により、日本でも2Lエンジンを楽しめることになる。軽快なソフトトップの1.5LかGT的なRHTの2Lか大いに悩まされるところだ。
さて、アルファロメオ版のロードスターについても触れて起こう。昨年12月のLAショーでアルファロメオ124スパイダー、3月のジュネーブショーでアバルト124スパイダーとそのラリー仕様を世界初公開するなど、ここにきて動きが目立っている。欧州では9月頃に正式デビューとなり、日本にも年内に導入されるという情報だ。
エンジンは4気筒、1.4Lのマルチエアターボで160ps/25.5kgm(アバルト版は+10ps)。フロントオーバーハングを大きく延ばしたデザインはロードスターとしては一線を画しており、こちらはこちらで人気となりそう。また、2.5L級のトルクを発生するターボエンジンの搭載で、人馬一体を謳うロードスターの走りがどう変わるかも大いに気になるところ。次々に話題が生まれるロードスターの進撃はまだまだ続く。