レクサス 新型NX 300h・Fスポーツ（4WD)

レクサスLS（1stモデル、1989年発売、日本名セルシオ）が成功を収めて以来、レクサス各車は常にアメリカのマーケットに軸足を置いて開発されてきた。そうしたブランドヒストリーの中にあって、NXは、日本や欧州をメインターゲットに据えたSUVである。

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大胆デザイン、洗練のプレミアム

ボディの3サイズは全長☓全幅☓全高4630☓1845☓1645mm。ワンクラス上のRXと比較して全長は140mm短く、幅は40mm狭く、全高は45mm低い。日本の道路環境でも扱いやすい比較的コンパクトなディメンションである。NXのスタイリングはアグレッシブだ。最新レクサス車に共通する迫力あるスピンドルグリルが強い存在感を放ち、ボディ全体を見るとBピラー部分が外側に張り出した「ひし形ボディ」、ドアの上下が後方に跳ね上がるキックアップラインなど、様々な部分に特徴的なデザイン要素を取り入れている。

インテリアは、エクステリアの個性を反復するように立体感に富んでいる。その造形は、万人に好まれるよりも「気に入ってもらえるユーザーにとことん気に入ってほしい」という意図が明確だ。NXのデザインは、レクサスの積極的な姿勢を象徴している。そして、シートの快適性、座り心地はいい。キャビン、荷室スペースのゆとりもたっぷりある。

搭載されるパワーユニットは、2.5L4気筒ハイブリッド（システム最高出力197ps）と、2L4気筒ターボ（238ps）の2種類。どちらも魅力的だが、NXの先進イメージによりふさわしいのは、やはりハイブリッドだろう。ハイブリッドはアップテンポでスポーティな走りまでカバーする余裕たっぷりのパフォーマンスと、JC08モードで19.8km/L（4wd)の優れた燃費を達成。その制御は非常にスムーズで静粛性も高い。

駆動方式は全てのグレードでFFと4WDが選択できる。乗り味のの特徴は、しなやかでたっぷりとしたストローク感。現在プレミアムモデルには必須アイテムになりつつある電子制御式可変減衰力ダンパー付きなど、3種類のセッティングが用意されたNXの足回りは、基本的に共通のテイストでまとめられている。なかでもスポーティ指向のFスポーツは、ハンドリングと乗り心地のバランスにすぐれている。レクサスNXは輸入SUVと比較しても高い商品力を誇るプレミアムな存在だ。走る喜びと共に、所有する誇りが得られる個性派SUVである。

主要諸元