9月下旬になっていよいよトヨタが復活を狙う新型スープラのテストが本格的に行われてきた。すでにウェブでも盛んに報じられているが、カモフラージュされた新型スープラは、高速テストの聖地、ニュルブルクリンクをはじめ、一般でもテストが繰り返されている。
新型スープラの基本骨格はBMW Z4の後継車、Z5と共通のシャシーとなる。
フロアには今年ワールド・ラグジュアリー・カー・アワードを受賞したBMW7シリーズ同様、カーボン素材を積極的に使い、ボディは一回り大きくなっているにもかかわらず、相当軽量なボディになっているということだ。
それは同時に、新型スープラの軽量なボディを手に入れたということで、動力性能は相対的に高くなる。最新の情報ではこの重量について、1340~1450kgという。
Z5がオープンなのに対し、スープラはクローズドのため、スープラのほうが重量増となりそうだが、実は逆で、Z5はオープンによる補強のため重量自体はほぼスープラと同じになるということだ。
搭載されるエンジンに関しては、レクサスの次期LS、LCに採用予定の943Fと呼ばれる新開発の3L、V6ツインターボ、340ps仕様がトップレンジとなり、2L、4気筒ターボの8ARが2種、出力違いで用意され、これがデビュー時のラインアップになる。2Lは200psと255psが用意され、255ps仕様がメイングレードになるらしい。
注目なのはミッションで、ZFのATのみの設定という点。マニュアルは用意せず、全車2ペダルのスポーツモデルとなる。
このZFはBMWとも共通で、8ATが濃厚。いずれ400ps級のハイパワーのハイブリッド4WDが加わる可能性はあり、その場合、ミッションもM3などに使われるSMGなどが採用される可能性はもちろんある。
BMWとシャシーを共用化するメリットとして、日本車でありがちな、エンジンラインアップがシンプルになってしまうことがないことだ。
いろいろなパワーに対応できるため、将来、スープラにもハイパワースペックモデルの設定が十分考えられる。
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新型スープラ復活スケジュール
この9月に本格的にテストが開始されたスケジュールを見ると、開発は予想以上に進んでいるとみられる。
今年初めの段階では、テストは来年、17年からと言われ、デビューは19年になる可能性も言われていた。
しかしにテストが1年近く早まるとなると、デビューも18年の早い段階で登場する可能性が出てきた。
そうなると、来年にはコンセプトカーとして姿を現すことになりそうで、スープラのメインマーケットとなる北米のどこかで登場するはず。
1月のデトロイトには間に合わないかもしれないが、4月のニューヨークショーあたりが有力。場合によっては来年秋の東京モーターショーの目玉となることも当然ある。何しろ章男社長は、20年の東京オリンピックを非常に重要視している。
それまでに日本の自動車の力を世界に発信し続けるはずで、そうした中に。スープラやレクサスLCのようなスポーツモデル、それに先進技術である燃料電池を積んだレクサスLSなど、世界が驚くような車たちがある。
02年、一時中止されたスープラが15年後の来年に復活する。価格はベーシックモデルは相当抑えるはずでスタートは450万、上級の3L、V6モデルが700万円程度。狙いは高いと言われているスポーツカーをリーズナブルな価格で提供することだ。
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新型スープラ予想スペック
全長☓全幅☓全高(mm) | 4380☓1860☓1295 |
ホイールベース(mm) | 2480 |
車重(kg) | 1340~1450 |
エンジン | 943F V6DOHC ツインターボ |
排気量(cc) | 3000 |
最高出力(ps/rpm) | 340/6500 |
最大トルク(kgm/rpm) | 39.5/2000-2500 |
トランスミッション | 8速AT(ZF製) |
価格 | 700万円 |