5代目となるマーチがデビューするという話だが、これほどの代わりぶりとは思っていなかった。思えば現行の4代目マーチは、発売当初100万円を切る価格が売りだったように、新興国での販売拡大を目論んだことで、ライバルに比べ質感が劣った。
スタイリングがライバルよりもずっと個性的ということが従来からのマーチオーナーの誇りだったが、インドやメキシコ、タイ、中国と行った新興国生産は、それも許さなかった。
特に日本導入モデルはタイ生産ということもあって、「チープ」という印象が植え付けられてしまった。
それが、新型マーチの全長は現行よりも174mm大きい3999mm、同じく全幅は77mm大きい1743mm、全高は逆に55mm小さい1455mmとなった。サイズ感はざっくり言うとフィットを一回り大きくした感じで、完全に別物だ。しかも、デザインが凝っている。
エッジを立てたサイドビューが目を引くが、V字型のフロントグリルやブーメラン形状のヘッドライト、そしてフローティングルーフと、これまで日産がコンセプトモデルで提案してきた様々なことを高い次元で融合させたことで、存在感抜群のコンパクトモデルが出来上がった。
幾何学的なドライな面作りを重視したデザイン手法で、日産によると「エモーショナルジオメトリー」と呼ぶらしい。手法はよくわからないが、出来上がった新型マーチのスタイルはかなり良い。
パワートレーンについては詳細な発表こそないが、3つのエンジンがラインアップされる。0.9Lの3気筒ターボ、1L3気筒のNA、そして4気筒1.5Lののディーゼルターボだ。
日本仕様は別のユニットが与えられる可能性があるが、是非導入してほしいのがHR09DETという型式が与えられた0.9Lのダウンサイジングターボだ。
最高出力90ps、最大トルク14.3kgmという数字は初代マーチにラインアップされた1LターボMA10ETの最高出力76ps、最大トルク10.8kgmに比べるとはるかに強力で、ボディが大きく重いと予想されるにしても、瞬発力はありそうだ。
欧州仕様は5MTが選べるらしいので、日本でもマーチターボ復活を熱望したい。
欧州モデルはルノーのフラン工場で生産され、来年3月に正式発表されると言うから、日本のマーチも夏には発表か?
ただし、日本仕様はどこで作られるのか気になるところ。この点はまだ決まっていないと言うが、日本か、タイか、それとも・・・。ものが良いだけにそれが最大の関心事と言えそうだ。
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新型マーチ主要諸元
全長☓全幅☓全高(mm) | 3999☓1743☓1455 |
ホイールベース(mm) | 2525 |
エンジン | 直3DOHCターボ |
排気量(cc) | 897 |
最高出力(ps) | 90 |
最大トルク(kgm) | 14.3 |
トランスミッション | 6速AT(予想) |
価格 | 140万円(予想) |