マークXのポイント
- 初代マークXを彷彿とさせる6眼ヘッドランプなどで更に精悍な顔つきに。
- 90カ所以上のスポット増しと6m以上になる接着による大幅なボディ補強。
- RDSにはAVS(電子制御可変サスペンション)を採用して乗り心地を向上
一瞬フルモデルチェンジか?と錯覚するほどに、マークXの顔つきが変わった。しかし、大人のスポーティーセダンとして、より洗練されたデザインへと進化したマイナーチェンジなのだ。
今回試乗したのは、スポーツグレードの250RDS。2.5Lながら、かえって新鮮なV6エンジンを搭載する。RDSグレードには、3.5L V6ユニットを搭載する350RDSもラインアップされている。
インテリアはRDSグレードの専用色で、アルカンターラを採用したブラック☓レッド。なかなかシックで、落ち着いた大人の空間という感じ。
他に、ブラック☓ホワイトも用意される。こちらは、もう少し若々しい感じ。しかし若者にこの車は買えるのか?価格は343万円台だから、十分に手が届く範囲だ。
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大人、だけど楽しめる走り
エンジンを始動した瞬間から、マルチシリンダーの振動感のないスムーズなアイドリング。そして、アクセルを床まで踏み込めば、スムーズにトップエンドの6600rpmまで気持ちよく吹ける。
エンジンのパワー感は4000rpmあたりからが力強く、中低速だけにターゲットを絞った仕様ではないことがわかる。もちろん中低速も全く不足のないトルク感だ。
ドライブモードはSNOW、ECO、SPORTの3種類で、センターコンソール上のスイッチ操作で即座に切り替えられ、コンピューターによるAVS(電子制御可変サスペンション)と協調して、スポーティとコンフォートを切り替えられる。
まずはSPORTモードから試そう。アクセル全開にすると、4000rpmあたりからマルチシリンダー特有のエキゾーストノートが鼓膜をくすぐる。耳障りじゃない、ちょうど良いノイズ感だ。
ブレーキングからステアリングをエイベックスに向けて切り込む。別に、限界まで攻めているわけではないが、パドルシフトを楽しみながら、なんとなくレーサー気取りでのステアリング操作が楽しい。
ステアリング操作に対する応答は速く、しかし、若干の初期のロールを出しているので唐突感もなく、思い通りのラインを描ける。贅沢を言えば、直進時のステアフィールにあるファジー領域が、もう少しビシッと決まると完璧。
次に、コンフォートモードにあたるECOモードに切り替える。ステアリングそのものが軽くなり、サスペンションも若干ソフトな方向に変化する。とはいえ、それでも十分にスポーティなセッティングでECOモードでもキビキビ系の走り。
真剣に攻め込んでもみたが、ある領域でしっかりロールを止め、コーナリングのレベルはかなり高く、しかも路面の凹凸をきっちり吸収するので安定性と乗り心地が良い。
今回、スポット溶接打点を増やし、構造用接着剤の採用でボディ接合剛性をアップ。これはレーシングカーのチューニング法に共通する。だから、このハンドリングと乗り心地が達成できているのだ。
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欧州ライバルと比較して
マルチシリンダーエンジンを搭載したFRセダンでライバルを探すとすれば、BMW340iが目に浮かぶ。こちらはBMW18番の直6でターボ武装。
低回転域から高回転域までシルキーでしっかりしたトルクを発生する優れものだ。しかし、その価格は800万円台。300万円台でV6エンジンを搭載したマークXの価値は高い。
新型マークXとBMW340iの比較
車名 | 新型マークX | BMW340i |
グレード | 250RS | Luxury |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4770☓1795☓1435 | 4645☓1800☓1440 |
ホイールベース(mm) | 2850 | 2810 |
エンジン | V6DOHC | 直6DOHC;ターボ |
排気量(cc) | 2499 | 2997 |
最高出力(ps/rpm) | 203/6400 | 326/5500 |
最大トルク(kgm/rpm) | 24.8/4800 | 45.9/1380~5000 |
トランスミッション | 6AT | 8AT |
JC08モード燃費(km/L) | 11.8 | 13.5 |
価格 | 343万4400円 | 813万円 |