「欧州プレミアムSUVに引けを取らない高性能」。アウトランダーPHEVの開発地からの目標だ。デビューから4年を経て、その願いにまた大きく近づいた。
アウトランダーPHEV改良のポイント
- プラグインハイブリッドシステムの改良によるEV走行の強化
- 従来比約10%のバッテリー容量アップ
- 歩行者検知機能の追加ほか予防安全技術の向上
- ショックアブソーバーのチューニング見直しで操縦安定性と乗り心地が向上
- ビルシュタイン製ダンパー装着のSエディションをラインナップ
2015年に大きなマイナーチェンジを行った、アウトランダーPHEVが再び大きく進化した。スペックにこそ出ないが、よりEV走行を積極的に行う制御の変更や乗り心地と安全性の向上を果たしており、「乗って頂ければ違いが歴然」と開発陣が語るほど、大きな進化を見せた。
このタイミングでの発表は明らかに2月15日にプリウスPHVが発表となるから。新型プリウスPHVの価格は326万1600円から422万2800円とジャンルは違うが、価格は重なって来る。PHVへの関心が高まるこのタイミングがアウトランダーPHEVにも追い風となる。
アウトランダーPHEVの外観は大きな変更はない。2015年にダイナミックシールドと呼ばれる三菱車共通のデザインを採用しているからだ。
ところが、中身の方は大きく進化している。特にプラグインハイブリッドシステムは、より長くEV走行ができるよう改良された他、EV走行から、エンジンをかけモーターで走行するシリーズハイブリッド走行へ切り替わる際の、エンジンの始動性を高め、レスポンスのいい加速が味わえるようになった。
バッテリーセーフモード、バッテリーチャージモードといったアウトランダーPHEVならではの走行モードに加え、今回EVプライオリティモードが追加となった。
これは可能な限り、エンジンを始動させずにEVで走らせることができるモードだ。JC08モード燃費19.2km/LやEV走行距離60.2kmといったスペックに変更はないが、これらの改良で実質的な経済性は向上しているはずだ。
自動ブレーキの改良や電動パーキングブレーキの採用。ショックアブソーバーの減衰力見直しで可能になった操縦安定性と乗り心地の向上など、進化は多岐にわたり、試乗が楽しみだ。
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ビルシュタイン装着のSエディション登場
新型アウトランダーPHEVの目玉は新たに追加されたSエディションだ。ボディ剛性アップのために構造用接着剤をボディの要所に用いており、その効果はかなりのもの。
専用にチューニングされたビルシュタイン製ダンパーを採用することで、アウトランダーPHEVが持つ、鋭い加速と重心が低くレスポンスのいいハンドリングを、これまで以上に楽しめるモデルになっている。
ビルシュタインと三菱車の相性の良さはランエボを引き合いに出すまでもなく、相当期待していいはずだ。
なお、ルーフがブラック塗装にできるのはSエディションだけだから、差別化もしっかりできている。
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新型アウトランダー価格表
M | 365万9472円 |
Gセーフティーパッケージ | 397万3860円 |
Gナビパッケージ | 432万4860円 |
Gプレミアムパッケージ | 468万1260円 |
Sエディション | 478万9260円 |
アウトランダーPHEV Sエディション
全長☓全幅☓全高(mm) | 4695☓1800☓1710 |
ホイールベース(mm) | 2670 |
車両重量(kg) | 1900 |
エンジン | 直4DOHC |
排気量(cc) | 1998 |
最高出力(ps/rpm) | 118/4500 |
最大トルク(kgm/rpm) | 19.0/4500 |
モーター最高出力(ps) | 前後60kW(82ps) |
JC08モード燃費(km/L) | 19.2 |
価格 | 478万9260円 |