三菱の燃費不正問題を受けて、いま、三菱の販売店ではどのような状況となっているのだろうか。三菱販売店の営業マンの声は悲痛だ。
誰もが口を揃えて言うのが「とにかく売る商品がなく困っている」ということ。燃費不正問題で販売停止となっているeKシリーズはもとより、次々と発覚する燃費に関する不正該当車種により、事実上売れる車がない状態だという。
「お客様の反応は二極化しています。昔から三菱車を乗り換え頂いているお客様の多くからはあなた方に責任はないのだから頑張ってくれと暖かい応援の声を頂いております。一方で、eKシリーズの商談中だったお客様などからは厳しいお叱りをいただき、商談は当然ですが流れました」
また別の営業マンからは「覚悟していたほどクレームの声は多くなく、むしろ励ましのお声掛けをいただいて恐縮しています」という声も。
「とはいうものの、現実的に販売できる車が皆無というのは厳しいです。ミラージュなどマイナーチェンジした直後で、本来であれば今がセールスに力を入れる時期なんですが、今、私達からお客様にお声掛けすることは出来ませんので」と困惑。
またこの営業マンは「日産の資本が導入されると言っても、具体的な車が開発されて出てくるまでには数年かかるわけですし、それまでどのようにして営業をして行けばいいのか。三菱ブランドは維持するということですが、私が言うのもなんですが、国内での三菱ブランドは完全に信頼が失墜しています。お客様にもご理解いただくのは難しいと思います」と。
信頼を失う恐ろしさをひしひしと感じる状況と言えそうだ。