スタッドレスタイヤを潰すまで使い続ける
冬場に貢献してくれたスタッドレスタイヤだが、トレッド面の溝が新品時から50%摩耗すると「プラットフォーム」と呼ばれる突起がトレッド面に露出する。これを持ってスタッドレスタイヤとしては使用不可。
しかしここから残り溝1.6ミリまではサマータイヤと同じように冬用タイヤとしてではなければ使用可能。
メーカーによっても異なる場合があるが、多くの場合、プラットフォームが露出する残りミゾ50%以下部分のトレッドゴムは、本来のスタッドレスタイヤ用の低温下でもソフトさがキープされるゴムではなく、ドライ路面でのしっかり感を出すためのサマータイヤに近いゴム配合となっている。
このため、サマータイヤとして使用した場合の性能はプラットフォーム露出以前よりも優れているのだが、あくまでも基本はスタッドレスタイヤということを忘れず、なるべく早いタイミングで本来のサマータイヤに交換することをお勧めする。
このような理由から、プラットフォームが露出したスタッドレスタイヤを冬用タイヤとして氷雪路で使用することは大変に危険なので絶対に使用は控えることだ。
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インチアップ時はロードインデックスに注意
例えば195/65R15サイズのタイヤは外径630mm程度。これを215/45R17にすると外径はほぼ同じ630mm前後となりスムーズなインチアップができるのだ。
タイヤサイズを確認する場合、どうしてもトレッド幅と内径インチ数ばかりに注目してしまいがちだが、一番最後に記されている「91H」とか「98Y」などの記号が重要なのだ。
最後のアルファベットは速度記号で対応する速度レンジを表している。Hは210km/h以下。Yは300km/h以下を意味する。
そして「91」とか「98」という数字だが、これはロードインデックス(LI)と呼ばれるもので、タイヤ1輪が担える荷重限界を示す指数。
空気圧によって対応荷重は変化するが、例えばLI91で空気圧220kPaの場合555kgとなる。タイヤサイズを変更する場合、このロードインデックスにも目を配ってほしい。また、空気圧は各社指定の数値を厳守するのが基本である。
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空気圧は月1チェックを身につけよう
その空気圧だが、一般的には1ヶ月に約10%程度自然に減っていくと言われている。以前のテストでは20%低下すると実燃費が5%程度低下することが確認されている。
エア圧が低下すると走行抵抗の増大による燃費低下だけではなく、高速走行時のスタンディングウェーブ現象など、事故に直結するトラブルにつながるので要注意だ。
「AA-a」や「A-b」とは何を意味する?
ここ数年、タイヤカタログでも存在感を放っているのがタイヤラベリング制度によるグレーディングの指標である「AA-a」とか「A-b」とかいった記号である。
何となくAの数が多いほど高性能なんだろうなとイメージはできると思うのだが。
大文字で表示されるのが転がり抵抗指標でAAAが最高でAA→A→B→Cと低くなっていく。また小文字で表示されるのはウェットグリップ性能でaが最高でb→c→dと低くなっていく。
転がり抵抗A以上、ウェットグリップd以上のタイヤが「低燃費タイヤ」と言われる。
転がり抵抗とウェットグリップ指標
転がり抵抗(RRR)
- AAA:RRC<6.5
- AA:6.6<RRC7.7
- A:7.8<RRC<9.0
- B:9.1<RRC<10.5
- C:10.6<RRC<12.0
ウェットグリップ指標(G)
- a:155<G
- b:140<G<154
- c:125<G<139
- d:110<G<124