2003年、初代モデルがJWRC参戦車をイメージしたコンパクトスポーツとして誕生。
手軽でありながら本格的な走りのホットハッチとして、二代目、三代目へとモデルチェンジを重ねて日本を代表するホットハッチへと成長したスイフトスポーツ。
そして、先代モデルの登場から6年を迎え、ファン大注目のスイフトスポーツが4代目と一新した。
まさに正統派のスポーツハッチであるスイスポ。
その新型が一番に追求したのは、やはり走りの性能だ。
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1.4Lターボ搭載
その中でも最大の注目はエンジン。
旧型は2代目からJWRCスーパー1600の直系モデルということからNAの1.6Lエンジンを搭載していたが、今回の新型ではターボ化した1.4L直噴エンジンへと一新。
この1.4Lターボは、エスクードに採用されるのと同じK14C型だが、スイフトスポーツではハイオク仕様となり、排気系や吸気系、冷却系など多岐にわたり専用チューニングが施され、140ps/23.4kgmを発揮する。
NA1.6Lの先代モデルが136psだったことを考えると、1.4Lターボで140psというスペックはちょっと物足りなく感じるが。
「スイフトスポーツのユーザーは普段乗る時の使いやすさも重視する人が多いですし、1トンを切る軽量ボディにはトルクフルなエンジンだと考えています」とは、新型スイフトスポーツを開発したチーフエンジニア。
23.4kgmのトルクはNAなら2.3L級である。
そして、新型は軽量なスイフトベースで970kg(MT車)という軽さを実現しているのも特徴(先代モデル比70kg減)。
軽自動車並みに軽いボディに1.4Lターボを搭載しているわけだから、十分な動力性能と言えるだろう。
40~80km/h追い抜き加速タイムでは先代モデルより50%も向上していると言う。
組み合わされるトランスミッションは6速MTと6速AT(先代型は6速MTとCVT)。
6速MTは2速~5速をクロス化した新開発で、剛性感のあるシフトフィールを実現させている。
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3ナンバーボディに拡大
また、新型スイスポの走行性能への追求はボディサイズにも表れている。
走行安定性の向上のため、ベースのスイフトよりも前後トレッドを約30mm拡大。
全幅は40mm広がって1735mmと、3ナンバーサイズ(国内仕様スイフトスポーツ初)となっている。
前側ストラット式、後側トーションビーム式のサスペンションも先代モデルから全面的に刷新。
専用のハブベアリングやトーションビームを採用して車軸支持剛性を強化し、スタビライザーやコイルスプリングなども専用品を採用してロール剛性を最適化。
ショックアブソーバーはモンロー製で、運動性能や動的質感を向上させたと言う。
車の基本性能である「走る」「曲がる」の性能追求ポイントはこれまで列記した通りだが、最後の「止まる」についても抜かりはない。
フロントブレーキサイズを16インチへと大径化。
キャリパーも大型&高剛性化して、制動力の向上とともに、フィーリングにもこだわりを見せる。
その他、走行性能の追求ではフロア下の空力パーツを増強したのも新型の特徴。
揚力と空気抵抗の低減を高レベルで実現したことで、空気抵抗では先代モデルより約10%低減させている。
デザインもアグレッシブ
そして、走りのポテンシャルアップと同様に新型スイスポで注目なのが、スポーツドライビングを演出する内外装のデザインだろう。
エクステリアは、ベースのスイフトよりも40mmワイドボディ化し、専用エアロ、そしてフロントやサイドスカートなどにカーボン調パーツを採用。
その印象はかなりアグレッシだ。
インテリアに目を移すと、ブラックを基調にしながら各所に取り入れたレッドのカラーが目を引く。
まさにドライバーをその気にさせる演出だ。
その一方でスポーツドライビングのための機能も追求し、フロントシートには新開発のセミバケットタイプが標準装備される。
また、新型では走りだけではなく安全面にこだわったのも見逃せないポイント。
歩行者も検知できる単眼カメラ+レーザーレーダーによる緊急自動ブレーキをはじめ、7種類の先進安全機能を装備するセーフティパッケージ装着車を設定。
スズキ初となる車線逸脱抑制機能も採用している。
価格は6MT車が183万6000円、6AT車が190万6200円。
先代モデルより約10万円高だが、進化の内容を考えると買い得感の高い価格設定と言えるだろう。
セーフティパッケージ車の安全機能
- 衝突被害軽減ブレーキ(単眼カメラ+レーザーレーダー)
- 車線逸脱抑制機能
- 誤発進抑制機能(6MT車除く)
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト機能(アダプティブクルーズコントロールも装備)