トヨタとマツダ、そしてデンソーが9月28日、EVの開発を手掛ける新会社「EVシーエースピリット」の設立を発表した。
トヨタとマツダは8月にも互いに500億円を出し合って資本提携を発表。
EVの共同開発などで合意していたが、新会社はトヨタが90%を出資し、マツダとデンソーが各5%を出資する。
インバーターなどの部品に強いデンソーも加わっての新会社設立により、EV開発が飛躍的に進むことが予想されるが、現状、EVにはどうしても航続可能距離の短さという問題がつきまとう。
トヨタは2020年に量産EVを市場投入する計画があるが、その時点ではトヨタが現在、東京工業大と開発中の、航続可能距離が大きく伸び、さらに充電時間も短縮されるという高性能バッテリー「全固体電池」の投入は難しい。
そこでクローズアップされるのが、発電用エンジンを搭載してモーターを駆動させる、レンジエクステンダーであり、コンパクトかつ低振動、低騒音を特徴とするロータリーエンジンだ。
トヨタとマツダはEV開発と同時進行的に、このシングルロータリーを発電に使用するレンジエクステンダーを開発。
まずはこちらを先に市場に投入する。
気になるのはどの車にそのロータリーを使ったユニットをのせてくるかだが、ここに来て可能性が急浮上しているのが、欧州トヨタが13年にフランスで発表した小型EVのコンセプトカー、「ミー・ウィー」だ。
発表されたミー・ウィーはボディサイズが全長3440☓全幅1750☓全高1600mmと、やや全幅が広く、いかにもコンセプトカー的なギミックも仕込まれていたため、そのままのスタイルで市販に移されることはないだろうが、このデザインエッセンスを生かした形で、若者向けのモデルとして登場してくることが予想されている。
愛嬌を感じさせるルックスに、ロータリーエンジン搭載というマニアックさ。
そしてモーター駆動の力強さも手伝って、人気を博す可能性は十分にある。
早ければ19年の東京モーターショーに姿を現すかもしれない。