2015年9月18日、VWがディーゼルの排ガス規制を逃れる違法ソフト、ディフィート・デバイスを搭載していたことが発覚した。米国での対象車種は48万2000台と発表されたが、その後欧州でも不正を行っていた事がわかり、VWグループ全体で約1100万台となった。なぜこんなことになったのか。ここでは不正問題の流れと対象車を記載する。
VWのディーゼル不正問題の流れ
●12年、環境NPO、ICTがディーゼル車の公道での環境性能をチェックするため、VWジェッタ、パサート、BMWX5をテスト、パサードが公道テストでNOxを大量に排出したという結果が出る。
●ICCTが再試験のため、ウエストバージニア大学に調査を依頼。
●13年、ICCTがウエストバージニア大学に依頼した精密調査の結果、ジェッタが公道走行時に基準値の15倍から40倍のNOxを出すという事実が発覚。結果を公表。
●CARB(カリフォルニア州環境当局)とEPA(環境保護局)がこの結果を問題視。VWにリコールを命令。
●VWは14年12月に50万台を回収し、ソフトウェアパッチを充てることで問題を解決した、と当局に報告したが、CARBは7ヶ月もの調査を行ってもソフトウェアパッチの効果を確認できなかった。
●CARBとEPAはVWの16年モデルの認証を進めていたがVWの行った改善の効果が確認できないため、16年モデルの販売に向けた型式認証をすることが出来ないとVWに通告。VWは明確な説明を行わない限り16年から対象モデルを販売できないことになった。
●9月18日、VWは米国での排ガス規制に関する検査で不正行為を認めた。
●9月22日、違法ソフトウェアを搭載して米国の排ガス規制を逃れていた問題で、VWは胴型エンジンを搭載した車両が世界全体で約1100万台に登ると発表。VWウインターコルンCEOがビデオ声明で陳謝、翌23日、CEOを辞任すると発表。
●9月25日、VW傘下のポルシェ会長、マティアス・ミュラー氏をCEOとする人事を発表。同日付きで就任。
●9月28日、アウディは、アウディ車の排ガス不正対象車は約280万台と発表。
●9月29日、VWは今回の不正ソフトが搭載されたEA189型、ユーロ5適合エンジンを搭載したディーゼル車を改善するための行動計画を発表。所有するユーザーにディーゼル車の排ガス特性を近日中に改善することを案内。また、技術的解決方法および対策を10月中に関係当局に提示すると発表。ドイツ連邦自動車庁はVWに対しディーゼル車の排ガス量を法律の範囲内に抑える計画を10月7日までに提出するよう求めている。
不正ソフトが装着された対象車は約1100万台
●パサート(12~15年モデル)
●ゴルフ(10~15年モデル)
●ゴルフスポーツワゴン(15年モデル)
●ザ・ビートル(12~15年モデル)
●ザ・ビートルコンバーチブル(12~15年モデル)
●ジェッタ(09~15年モデル)
●ジェッタスポーツワゴン(09~14年モデル)
●アウディA3(10~15年モデル)
●アウディA1、A4、A5、A6、Q3、Q5、TT
それにしても沢山の車種で不正が行われていたようです。
米国の排ガス規制が厳しいとはいうもののVWが不正をやっていたというのが残念。
しかも、今回はついに発覚した、という感じで実は以前から不正は行われていた、という話があります。堂々と車に乗れるよう真相を解明してほしいものです。