車の運転方法はひとそれぞれ。毎日長距離を乗る人もいれば、たまに近所だけという人もいると思います。そんな中、多くの人が思うのは、少しでもガソリン代を節約したい、ということではないでしょうか。
今回は、すでに常識になっていると思われるものも含めて、無駄な出費を抑える走り方について紹介してみます。
アクセルの踏み方で年間2万円は無駄になる
同じ距離を走るのでもガソリン代は安い方が嬉しいものだし、同じガソリン代を払うにしてもより遠くに行ける方がやはり嬉しいもの。
仮にガソリン1Lが120円、年間の走行距離を1万kmだとすると、燃費が15km/Lではガソリン代が約8万円かかるのに対し、燃費が20km/Lではガソリン代は約6万円に圧縮できる。
それを念頭においた上で、一般道では無駄なペダル操作をなくすことが燃費向上の大きな鍵となる。
例えば、前方の交差点の信号が赤となり、停止しなくてはならない場合にアクセルを踏むような運転はご法度だ。
前方が赤信号なのに漫然と加速し、直前でブレーキを踏む。これはガソリンの大きな無駄遣いだと言えるだろう。
バックミラーで後続車との車間距離を確認し、もし広いようならアクセルを戻しつつ、アクセルを全閉にして尚且つ1500回転ほどのエンジン回転数で作動する燃料カットを使いながら減速し、最低限のブレーキ操作で停止するのが最も効率的。
後続車が走行している場合はゆるい加速をしながら最低限の速度をキープしておけば、後続車を苛立たせるようなこともないはずだ。
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一般道走行に有効!アイドリングストップの上手な利用法
アイドリングストップが付いている車の場合、市街地走行での燃費向上に極めて有効。市街地走行のみだと、アイドリングストップの有無で概ね2割は燃費が変わってくる。
過去のハスラーのテストでは、アイドリングストップオンからオフにすることで燃費が14%低下した事が判明している。
停止後にブレーキペダルを踏み足すことでアイドリングストップが始まるトヨタ車やマツダ車の場合は、渋滞中などに見られる「ギリギリ、止まりそうで止まらない」といったケースで、エンジンが止まってまたすぐにかかるような不要なアイドリングストップの発生を防ぎやすくなる。
さらにアイドリングストップに有効なのが冬場のヒーター。というのもヒーターが効き始める水温の方が、アイドリングストップが可能になる水温よりも高いからだ。
エンジンをかけてすぐにヒーターを使おうとすると、完全にヒーターが効き始めるまではアイドリングストップしなくなる。
そこで冬場のエンジンスタートは、十分な防寒対策として上着を着たまま、エンジンが温まるまではヒーターを使わないようにすることで燃費向上が狙える。
移動距離は10km未満のような短距離移動の場合、これだけで5%ほど燃費が変わり、ハイブリッド車やスペースの広いミニバンだと10%近く燃費が向上することもある。
走行スピードも燃費向上のための重要なファクター
走行スピードも燃費向上の非常に大きな要因となる。車は50km/hを超える速度で走行すると、受ける空気抵抗が急激に大きくなってくるからだ。
そこで燃費を向上させるためのベストな速度を考えると、トップギアで走行できる最低の速度ということになる。
そうなると、高速道路では80~90km/hが最もバランス的に良いとされる。もちろん、それよりも低い速度の方が燃費は伸びるが、遅いと他車にも迷惑をかけるばかりでなく移動での効率だって悪化する。
ただ、ディーゼル車や多段AT車のように80~90km/hではトップギアにならない車もある。そうした場合、一旦トップギヤに入るまで速度を上げ、トップギヤをキープできる最低速度まで落としてやる方法もある。また、装備されている車であればパドルシフトを活用することでも可能だ。
この80~90km/hという巡航速度は空気抵抗がより大きくなる車、つまり全高の高いSUVやミニバン、スーパーハイト系の軽ほど効果が大きくなる。
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高速巡航時のクルーズコントロール活用術
高速道路での長距離移動で低い巡航速度を維持し続けるのは結構ドライバーへの負担が大きかったりする。なぜなら一定速度を常に自分自身でキープするのは意外に難しかったりするからだ。
このため、高速移動で積極的に活用したい装備がクルーズコントロールだ。一定速度を自動的にキープすることで燃費を大幅に向上させてくれる高速道路でのマストアイテムだと言えるだろう。
最近だとアダプティブクルーズコントロールを備えている車も増えてきており、前方車との距離を自動でキープしつつ、かつ停止状態までフォローしているものも多い。
アダプティブではない、普通のクルーズコントロールでも混雑時を除いて積極的に使いたい。速度の変動が最小限ですむメリットは年間で考えれば決して小さくないはずだ。
タイヤの賢い選択によって無駄をなくすことができる
タイヤラベリング制度の「A」とか「AA」という表示は転がり抵抗を表している。Aの数が多いほど低転がり抵抗=燃費に効くタイヤということ。小文字の「a」「b」、ウェットグリップ性能を示す指標。
スポーティーハイグリップタイヤなどの「B」レベルから「A」レベルのタイヤに交換するだけで実走行燃費が5~8%アップする。
これまで12km/Lだったとしたら12.6~13.0km/L程度に燃費が引き上がるということ。年間1万km走るのなら8000円程度ガソリン代が節約できる計算だ(ガソリン代120円/Lとして計算)。
またスタッドレスとサマータイヤの履き替えタイミングにも注意したい。スタッドレスタイヤはミゾ50%摩耗でプラットフォームが露出して冬タイヤとして使えなくなるものの、その後も残りミゾ1.6mmまでは夏タイヤとして使用可能。
春先に、履きつぶす目的でそのまま使ってもいいのだが、転がり抵抗はサマータイヤと比べて大きいため燃費にはマイナス。
操縦性やウェットグリップでもサマータイヤには及ばないから、ここは思い切って交換してしまうのもトータルでの節約だ。
ハイブリッド車での回生ブレーキの効かせ方
エコカーの中で国産車では最もポピュラーなのがハイブリッド車だが、燃費がいいハイブリッド車の更なる燃費向上のカギを握るのがブレーキのかけ方だ。
ガソリンエンジン車と同じようなタイミング踏力でブレーキを踏むと十分にエネルギー回生ができず、油圧ブレーキもかかってしまう。
プリウスはハイブリッド車の中では強力な回生能力を持つ車だが、ガソリン車と同じような強さでブレーキを踏んでしまうと、油圧ブレーキまで併用してしまうことになる。そこで停止する前の段階で早めにジワジワとブレーキをかけて行くのがポイントだ。
その際にメーター内の回生表示をチェックし、針が振り切れないように2/3ぐらいまでの範囲でブレーキをかけるようにしたい。そうすることでフルにエネルギー回生することができるのだ。
その他の燃費向上法
駐停車時の不要なアイドリング
10分間のNレンジでのアイドリング(エアコンOFF)で約130ccものガソリンを消費してしまう。1時間で約780cc、1時間半で約1170ccとなり、思った以上のガソリン消費となるので侮れない。人待ちや荷降ろしなどちょっとした駐車時にもこまめにエンジンを止めよう。
急発進の禁止
JAFのデータによれば、1日のうち10回急発進をすることで170ccのガソリンを無駄に消費してしまうらしい。これが1か月続けば5Lにもなる。日頃から乱暴な運転は改めたいもの。
不要な荷物を積みっぱなしにしない
ついついやってしまいがちなのがコレ。トランクなどに約30kgの荷物を積みぱなしにしたまま1ヶ月に1000km走行していると、1L近くのガソリンを余分に消費てしまうという。
交通違反で無駄な出費をしないために
路線バスなどの優先通行帯を走行する時、後ろから路線バスが近づいてきたら速やかに車線変更しなければならない。
渋滞時にバスの進行を妨げたりするのも違反。また発進のウインカーを出しているバスを追い越すと乗合自動車発進妨害となる。よく見かけるシーンだが、気をつけたいものだ。
合図不履行はウインカーを出さずに右左折した場合の違反で、和服やスリッパなどでの運転は公安委員会遵守事項違反となる。
やってしまいがちな「交通違反」
- 路線バス等優先通行帯違反:1点6000円
- 合図不履行:1点6000円
- 合図制限違反:1点6000円
- 追いつかれた車両の義務違反:1点6000円
- 乗合自動車発進妨害:1点6000円
- 交差点右左折等合図車妨害:1点6000円
- 泥はね運転違反:0点6000円
- 安全不確認ドア開放等:1点6000円
- 騒音運転等:2点6000円
- 道路外出右左折合図車妨害:1点4000円
- 公安委員会遵守事項違反:0点6000円
- 本線車道出入方法違反:1点4000円
- 警音器使用制限違反:0点3000円
- 免許証不携帯:0点3000円