ノートハイブリッドの更なる新情報!完全なモーター駆動のシリーズハイブリッドながら、プラグイン機能を持たないハイブリッドで、しかもこれまでの日産にはなかったこの新しいシステムは次期型セレナにも採用されることも明らかになった。
日産の主力コンパクトカー、ノートが10月にビックマイナーチェンジを実施。これまでにない革新的なハイブリッドが加わる事になる。このノートハイブリッドは、エンジンが発電用、モーターで駆動する完全なシリーズ型のハイブリッドであることが特徴。発電用と言っても小さなエンジンを使うのではなく、既存の1.2L直3エンジンを搭載し、リーフとほぼ同じモーターを採用する。
エンジンを回して作った電気は、あまり蓄えずに必要な分を発電しながら走るという新システムで、そのためリチウムイオンバッテリーは必要最小限のサイズだと言う。その総電力量は1.5kWhというから、クラウンハイブリッドと同程度。大容量バッテリーを持つEVベースのシリーズハイブリッドとは異なるシステムで、そのためプラグイン機能は装備しない。
バッテリーの搭載位置もポイントで、前席のシート下に収まるように設置。そのため、室内やラゲッジスペースへの影響はほとんどないという。
エンジンは、効率のいい2000~3000回転で常に回して発電し、停止時にはエンジンも停止するが、そのエンジン音をどれだけ抑えられるかが課題。それと燃費だが、JC08モードで40.0km/Lが目標値とされていたが、新型プリウスの中心グレードと同じ37.2km/Lくらいになるという情報もある。
これまでハイブリッドはトヨタ車のTHSが燃費でリードしていたが、ついに同レベルのハイブリッドシステムが出てくることになりそうだ。価格も250万円近くまで抑えられ、補助金を受けると200万円強で買える戦略的価格でベストセラーカーのアクアに対抗する。
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次期セレナもシリーズ型HVで登場
そして、このノートハイブリッドと同じシリーズ型ハイブリッドを、セレナが採用することもわかってきた。現行型セレナは登場から7年目を迎え、そろそろ古さを隠せなくなってきていたが、今年の秋にフルモデルチェンジを実施。基本的にキープコンセプトで5ナンバーサイズを踏襲するが、中身が大きく変わることになる。
その目玉がセレナ初となる本格ハイブリッドモデルだが、こちらは2Lガソリンモデルの1年遅れのデビューとなりそうだという。注目はそのハイブリッドシステムで、これまではエクストレイルハイブリッドに搭載する2Lエンジンにモーターを組み合わせたシステムであると思われていたのだが、ノートハイブリッドと同じ1.2Lエンジンを発電用に使ってモーターで駆動するシステムを採用することが判明。
バッテリーの総電力量はノートよりも少し大きい1.7~1.8kWh程度となりそうで、ノートと同様に小型のリチウムイオンバッテリーが前席のシート下に搭載される。
燃費はノア/ヴォクシーハイブリッドのJC08モード23.8km/Lを超えられるかが焦点だが、そこはしっかりとクリアして24.0km/Lあたりになる可能性が高い。シリーズハイブリッドの採用により燃費で競合他車を一歩リードする事になる。
さらに次期セレナで注目なのが、量産車初となる高速道路での完全自動運転システムが今年採用されることだ。従来のレーンキープ機能だけでなく、車線中央で前車を追加するとともに渋滞時は自動停止や自動発進をするほか、カープも自動で曲がるシステムを採用。高速道路という限定したシーンではあるが、渋滞時にハンドルもブレーキもいらない時代がついにやって来るわけだ。
日産は自動運転をしきりにアピールしてきているが、新型セレナでまず自動運転の第一歩を踏み出すことになる。価格は2Lガソリン車が230万円前後、ハイブリッド車が300万円前後と予想。
ノア/ヴォクシーHVと比較したセレナHVの予想諸元
グレード | 次期セレナ | ノアハイブリッド |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4700☓1695☓1870 | 4695☓16951825 |
ホイールベース(mm) | 2860 | 2850 |
車重(kg) | 1650 | 1620 |
エンジン | 直3、1.2L DOHC+モーター |
直4、1.8L DOHC+モーター |
最高出力(ps) | 79 | 99 |
最大トルク(kgm) | 10.8 | 14.5 |
モーター出力(ps) | 100 | 82 |
モータートルク(kgm) | 24 | 21.1 |
駆動方式 | FF | FF |
JC08モード燃費(km/L) | 24.0 | 23.8 |
予想価格 | 300万円程度 | 299万6509円~ |