日産の日本市場の稼ぎ頭、セレナにe-POWERが追加された。
e-POWERはエンジンで発電し、モーターだけで駆動するシリーズハイブリッドで、初搭載されたノートe-POWERが大ヒットしているのはご存知の通り。
その勢いに乗り、日産はe-POWER車を増やす方向で、第2弾として選ばれたのはセレナというわけだ。
ノートと同じ3気筒の1.2Lエンジンとモーターを使っているが、車重がノートよりも最大で570kgも重いだけに細部は異なり、発電用エンジンはオイルクーラーを追加してノートの79psから84psとし(10.5kgmの最大トルクは同じ)、モーターはノートの109ps/25.9kgmから136ps/32.6kgmに大幅にアップ。
またバッテリー容量も20%アップの1.8kWhとしてバッテリー走行の距離を拡大している。
アクセルのオンオフだけでほとんど走れるワンペダルドライブがe-POWERの特徴だが、セレナはノートよりもアクセルオフでの減速Gを高める一方、高速走行時の感度を抑制して一定走行がしやすい制御もされている。
また、エンジンをかけずにバッテリーだけの走行を続ける「マナーモード」とバッテリーが約90%たまるまでエンジンをかけ続ける「チャージモード」を新たに設定。
マナーモードでのEV走行は最大約2.7kmとなっている。
プロパイロットをはじめ、先進装備も満載で従来のセレナに対しては自動でヘッドライトの光軸を調整するハイビームアシストが追加された他、標準検知機能、踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントアラウンドビューモニターが改良されて安全性を向上させている。
セレナe-POWERのグレードは四つあり、安い方からX(296万8920円)、XV(312万8760円)、ハイウェイスター(317万8440円)、ハイウェイスターV(340万4160円)となり、簡易ハイブリッドのSハイブリッドよりも50万円弱高い。
JC08モード燃費はSハイブリッドの16.6~17.2km/Lからe-POWERでは26.2km/Lに飛躍的に向上するし、ワンペダルドライブなど新鮮な走行感覚を得られる上に静粛性も良くなっていることなどを考えると、決してこの差額も大きくはないように思える。
なお、セレナe-POWEREは2列目シートがセパレートタイプの七人乗りのみになる。
動力性能に不満なし。静粛性には大満足
セレナe-POWERにミニサーキットで試乗したレポートは以下の通り。
まず心配だったのは1730~1760kgという車重にe-POWERは対応できるのかということだったが、モーターのパワーアップでさすがにそれは問題なし。
それよりもガラスに遮音フィルムを追加し、センターカーペットを4層構造にするなどして静粛性を向上させた効果が出ていたのが収穫。
また、瞬時にトルクが立ち上がるモーターの特性とワンペダルドライブを活かした走りもSハイブリッドよりも楽しくて上質であることも確認できた。
セレナe-POWERハイウェイスターV
全長☓全幅☓全高(mm) | 4770☓1740☓1865 |
ホイールベース(mm) | 2860 |
車重(kg) | 1760 |
発電用エンジン | 直3、1.2L DOHC |
エンジン最高出力(ps)/ 最大トルク(kgm) |
84/10.5 |
モーター最高出力(ps)/ 最大トルク(kgm) |
136/32.6 |
JC08モード燃費(km/L) | 26.2 |
サスペンション(F/R) | ストラット/トーションビーム |
タイヤサイズ | 195/65R15 |
価格 | 340万4160円 |
エコカー減税 | 取得税、重量税100%免税 |