現在、軽自動車には4気筒エンジン搭載モデルは存在しない。最も古い4気筒エンジン搭載軽自動車は1962年2月に登場したマツダキャロルで排気量358ccのOHVで20ps/2.4kgmを発揮した。この翌年の63年8月、ホンダは354ccのDOHCエンジンを軽トラT360に搭載して市販。これが四輪車用としては歴代最小排気量の4気筒エンジン。このエンジンをベースにその後排気量を拡大しS500/600/800へと発展する。
近年ではスバルが4気筒に積極的で86年6月にレックス、サンバーなどに搭載するEN型を開発。当初は547ccだったが、企画変更にともない658ccに排気量を拡大。スーパーチャージャーを組み合わせるなどしてプレオやステラ、R1、R2などにも搭載したがスバルの撤退に伴い生産終了。三菱は5バルブヘッドの4A30型をラインアップしパジェロミニに搭載していた。最後の4気筒軽は初代コペンだった。コストと小型軽量化などの面で、今後軽自動車に4気筒エンジンが復活する可能性は低いだろう。
◯パジェロミニに搭載されていた4A30型4気筒エンジンは、1気筒あたり5バルブという軽自動車では他に類を見ない技術を採用していた。2012年6月、コペンより少し先に生産を終了した。
◯ダイハツの4気筒エンジンはBJ型と呼ばれ、ミラ、ムーヴ、オプティ、MACなどに搭載されていたが、最後に残ったのは初代コペンだった。2012年4月2日に生産終了を発表し、9月5日をもって販売を終了した。これによって4気筒の軽自動車は消滅した。
4気筒エンジンを搭載した軽自動車
車名 | 登場時期 | エンジン型式 | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) |
スバルレックス、サンバー | 1986年6月 | EN05型 | 64/7200 | 10.8/3600 |
スバルヴィヴィオRX-R、プレオ、R1、R2、サンバーなど | 1992年3月 | EN07型 | 64/7200 | 10.8/3600 |
スズキセルボモード | 1990年7月 | F6B型 | 64/7000 | 8.4/3500 |
三菱ミニカ、タウンボックス、パジェロミニ、トッポBJ | 1993年9月 | 4A30型 | 64/7000 | 9.9/3500 |
ダイハツミラ、ムーヴ、オプティ、MAX、コペン | 1994年9月 | BJ型 | 64/6000 | 11.2/3200 |
マツダキャロル | 1962年2月 | DA型(358cc) | 20/7000 | 2.4/3000 |
ホンダT360 | 1963年8月 | XA-K250型(354cc) | 30/8500 | 2.7/6500 |