2つの見解を。
●フィットに関してはリコールの問題も大きいですが、マイナーチェンジの影響もあるでしょう。販売店は新型車が出ると従来からのラインアップを置き去りにしてしまうことも多いので、最近バリエーション展開が多いホンダの事情も影響しているかもしれません。
アクアに関しては昨年の販売台数が全体的に見て多すぎたといえます。昨年比で販売台数が減ったとはいえ絶対数ではいまだに一位ですし。ただ需要も一度落ち着き、モデルも古くなってきた方から販売台数も入っているのでしょう。年末くらいにまたてこ入れなどあるのではないかと見ています両者共通のことですが、4月からのエコカー減税の制度変更も響いています。アクアとフィットハイブリッドは免税から変更はないのですが、やはり無意識的に制度の変化が消費者心理に影響している可能性があります。
●アクアは自然減でしょう。これまでの販売台数が多かったのだと思います。またアクアは社用車、レンタカー、カーシェアフリート(法人契約)への販売も多いので、7月はそちらへの少なかったとも推測できます。それだけでも販売台数を左右する大きな要素になりえますから。アクアなどの競合になっているシエンタですが、試乗車としての販売が現段階では多いのではないでしょうか。トヨタの全国の販売店の数を考えれば7月の販売台数のうち、試乗車ということも考えられます。シエンタだけではなく、同じトヨタのカローラのハイブリッドも競合しているはずです。
フィットに関してはマイナーチェンジの関係で、もしかしたら新規オーダーはストップしていて在庫販売での対応になっていると思います。またこのクラスはデミオえの乗り換え層がかなり大きいでしょう。デミオは前年比286.1%の販売台数ですから、そこにかなりの消費者がながれているはずです。ホンダは軽自動車の販売もしているのでそちらへの流出もかんがえないといけません。どちらにせよfitは6月のデータでも前年比66.9%なので需要が尽きているということが言えると思います。
まとめると、
・ライバル車の出現
・モデル自体の需要の低下
・マイナーチェンジのタイミング
などが要因と結論を出せそう。
2013年から年間販売台数トップを独創するアクア、そしてコンパクトではしぶとく上位に残るフィット。両車の今後に要注目です。
【7月新車乗用車販売台数ランキング】
順位 | 車名 | メーカー | 台数 | 前年比(%) |
1 | アクア | トヨタ | 17111 | 74.1 |
2 | カローラ | トヨタ | 12089 | 108.0 |
3 | フィット | ホンダ | 11466 | 68.9 |
4 | ノート | 日産 | 9511 | 109.3 |
5 | プリウス | トヨタ | 9419 | 55.8 |
6 | ヴォクシー | トヨタ | 8611 | 67.8 |
7 | ヴィッツ | トヨタ | 8048 | 67.7 |
8 | シエンタ | トヨタ | 7377 | 544.8 |
9 | デミオ | マツダ | 6706 | 286.1 |
10 | ステップワゴン | ホンダ | 6677 | 189.7 |
11 | エクストレイル | 日産 | 5885 | 172.3 |
12 | ヴェゼル | ホンダ | 5813 | 50.3 |
13 | ヴェルファイア | トヨタ | 5778 | 167.6 |
14 | セレナ | 日産 | 5517 | 83.7 |
15 | ノア | トヨタ | 5262 | 77.6 |
16 | ハリアー | トヨタ | 5252 | 100.9 |
17 | アルファード | トヨタ | 5026 | 244.3 |
18 | インプレッサ | スバル | 4703 | 145.0 |
19 | エスクァイア | トヨタ | 4561 | 2014年10月発売 |
20 | シャトル | ホンダ | 4454 | 2015年5月発売 |
21 | パッソ | トヨタ | 4079 | 78.1 |
22 | スイフト | スズキ | 3809 | 89.9 |
23 | フリード | ホンダ | 3433 | 69.2 |
24 | クラウン | トヨタ | 3264 | 92.1 |
25 | アウトランダー | 三菱 | 2780 | 332.5 |
26 | CX-3 | マツダ | 2722 | 2015年2月発売 |
27 | ランドクルーザー | トヨタ | 2598 | 138.4 |
28 | レヴォーグ | スバル | 2559 | 47.8 |
29 | ソリオ | スズキ | 2393 | 91.7 |
30 | スペイド | トヨタ | 2306 | 67 |
出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会