第3世代「BMW」ミニのコンバーチブルが登場した。日本では3月2日から予約受注が始まり、納車は5月末から。ラインアップ及び価格は全車6速AT仕様で、1.5L直3ターボを積むミニクーパーコンバーチブルが342万円、2L直4ターボのミニクーパーSコンバーチブルが397万円、ハイパフォーマンスモデルのミニジョンクーパーワークスコンバーチブルが483万円(5月末からの納車)
まずは、新型ミニコンバーチブルの概要についてまとめておこう。簡単に言えば、3ドアのミニハッチバックをベースにソフトトップ4シーターのフルオープンとしたモデルだ。幌はもちろんフル電動操作で、開閉に要する時間は18秒以下。嬉しいことに、時速30km以下でなら、走行中での操作も可能となった。フロント2座の頭上、ルーフ面積で言うと4割くらいをスライド開閉することも可能だ(日本ではこれが好まれる)。
注目はそのソフトトップ自体で、「ミニ・ユアーズ」という流行りのパーソナライズシステムからチョイスできるユニオンジャック柄の幌が、文句なしにおしゃれで格好いい。
ミニというと、ハッチバックのルーフを白く塗ったり、派手なユニオンジャック柄にしたりするのが定番のドレスアップ。その考え方をソフトトップにも持ち込んで、シックな仕立てとしたものだ。生地をよく見てみると、トラディショナルなヘリンボーン柄で編み込まれており、黒とグレーでユニオンジャック柄を表現している。これからソフトトップモデルで流行りそうな手法で特別感たっぷりだ。
そのほか、エクステリア関連では、ロールオーバープロテクションの存在が外から見えないようデザイン的に処理されているのもポイントだ。
さらに、実用車としての機能的なレベルアップとしては、ラゲッジルームが拡大された事を上げておく。欧州ユーザからの要望があって、約40Lの増量をはたした。クローズドで215L、オープン時でも160Lを確保。実用的にはハッチバックの使い勝手にほぼ近づいた。
また、クローズド時に限られてはいるが、幌フレームが少し持ち上がって荷室の開口部を拡げるイージー・ロード機能を搭載。積み込みやすさも格段に向上している。
ミニクーパーSコンバーチブルのATとMTに試乗
試乗したのはクーパーSの6MTと6ATだった。まずは、多くの人が選ぶであろう6ATから。これが中々のすぐれもので、ドライビングモード装着車なら、グリーンモードを選ぶとアクセルオフでコースティング(50~160km/h)するし、スポーツモードなら刺激的な変速を見せる。ちなみに、ドライビングモードで制御されるのは、ATのほか、アクセルペダルとステアリングホイールの特性、およびダイナミック・ダンパー・コントロール(装着車)のマッピングだ。
いわゆる、ゴーカートライクな走りは健在。ハッチバックより、ダンピング特性を前後ともに1割程度(ただし、オプションやグレードによる重量変化にあわせて仕様は異なってくる)、スタビライザーも柔らかめでセットしたそうだが、走りはいたって硬質な部類で、ロス(試乗会開催地)の街中の、荒れた舗装路面ではちょっと厳しい。
速度が上がっていくにつれ、そのフラットなドライブフィールがどんどん心地良いと感じられるようになり、これぞミニらしい走りだ、と感心するに至るわけで、低速域での不満など相殺して余りある。乗り心地のためにだけにミニらしさを失ってほしくない。
6MTの楽しさは格別だ。今時、全てを自分で操っていると思えるような車などほとんどない。サイズからして、そして、フレキシブルなパワートレーンからして、ミニがそのうちの1台であることは間違いない。
ミニクーパーコンバーチブル
全長☓全幅☓全高(mm) | 3850(3821)☓1727☓1415 |
ホイールベース(mm) | 2495 |
車重(kg) | 1295(1230) |
エンジン | 直4DOHCターボ、1998cc (直3DOHCターボ、1499cc) |
最高出力(ps/rpm) | 192/5200-6000 (136/4400) |
最大トルク(kgm/rpm) | 28.6/1250-4600 (22.4/1250) |
トランスミッション | 6速AT |
0→100km/h(秒) | 7.1(8.7) |
JC08モード燃費(km/L) | 16.3(16.7) |
価格 | 397万円(342万円) |
※カッコ内はクーパーコンバーチブル。オーバーブースト時、クーパーSは30.6kgm、クーパーは23.5kgm