北米市場でプリウス・プライム(極上)のモデル名が与えられた2代目プリウスPHVは、先代でパッとしなかった販売を巻き返すベく、プリウスとは明確にエクステリアデザインを作り変え、一段上級のモデルという位置づけとしている。
ヘッドライトはプリウスが縦目なのに対し、カバーの形状こそ異なるが「ミライ」と同じ薄型の4灯式LEDを採用。Aピラーより前のボディパネルのすべて別物だ。リア回りも、横方向に伸びたテールランプの形状がこちらもプリウスの縦型とはまるで異なる特徴的な表情に仕上げられている。テールゲートには初めてカーボンファイバーが用いられていたが軽量化という大きな利点とともに細いフレームでも強度を保つことができるため、より後方視界が広がるという利点がもたらされた。
また中央をへこませた特徴的なリアガラスにもルーフからの流速がその部分で速くなることで風が吸い寄せられ、空気抵抗が減少する効果がある。
EV航続距離は先代の2倍以上の60kmと驚異的
ハイブリッドのパワーユニットは基本的に新型プリウスがベースで、98psを発揮する1.8L4気筒のアトキンソンサイクルエンジンと、72psと31psの2個のモーターがプラネタリーギヤを介して組み合わせるのだが、ノーマルプリウスや従来のPHVでは発電用として使われていた2個目のモーターとプラネタリーギヤの間に新たにワンウェイクラッチを組み込んだことで、両方のモーターを同時に走行用モーターとして使うことが可能となり、EVモードでの最高速度がこれまでの100km/hから135km/hにアップ。
走行用のリチウムイオンバッテリーも小型軽量化されただけでなく、さらに従来比約2倍の1.8kWhに大容量化。EVモードでの走行レンジは従来の26.4kmから2倍以上の60kmに伸びている。問題は価格だが320万円前後からであれば間違いなく大ヒットするだろう。
プリウスプライム主要諸元
全長☓全幅☓全高(mm) | 4645☓1760☓1470 |
ホイールベース(mm) | 2700 |
車内長☓室内幅☓室内高(mm) | 2110☓1490☓1195 |
エンジン | 直4DOHC、1797cc |
エンジン最高出力(ps/rpm) | 98/5200 |
エンジン最大トルク(kgm/rpm) | 14.5/3600 |
モーター最高出力/ (駆動用/発電兼用)(ps/ps) |
72/31 |
モーター最大トルク/ (駆動用/発電兼用)(kgm/kgm) |
16.6/4.1 |
バッテリー | リチウムイオン電池 |
EV走行距離 | 60km以上 |
ハイブリッドモード燃費 | 37.0km/L以上 |
日本での予想価格 | 320万円 |