乗り心地は車にとって重要な要素の一つだ。特にミニバンやSUVといったジャンルの車は乗り心地が大きなウエイトを占めるが、ソファーのようなふわふわとした乗り心地の車が最良ではない。長時間乗車で疲れないのが良い車だ。だから足がしなやかに動き、ハンドリングとの妥協点が高い車をいい車とした。
ミニバンの上級クラスで高く評価したいのが、アルファード/ヴェルファイアだ。リアサスペンションを一新したこともあり、3列目でも快適に座れる。これに対しエスティマはソフトな乗り味だが、ピリッとしたところがない。
ミドルクラスは激戦だが、ライバルをちょっとだけリードしているのが、ステップワゴン。路面からの突き上げを上手にいなしている。商用車をワゴンに仕立てた日産のNV200は、少人数の乗車だと乗り心地が硬質で、ショックの収まりも物足りない。
コンパクトクラスのミニバンは少数だが、設計の新しいシエンタは操縦性と乗り心地の妥協点が高く、2列目、3列目でも良好な乗り心地だ。基本設計の古いフリードを大きく引き離している。
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ギャップの大きい悪路で使うことを考えて、サスペンションストロークを大きく取っているのがSUVだ。足がしなやかに動き、ハンドリングもいいのはフォレスターである。また、マツダのCX-5もマイナーチェンジで乗り心地の洗練度を高めた。
路面からの衝撃吸収が上手で、当たりがソフトなのは日本のユーザーに的を絞ったハリアーだ。同乗者にも快適である。ただし、ハンドリングはレクサスNXと比べると今一歩のレベル。ホットな走りでは揺れが大きく、ピリッとしたところがない。
ちょっと異質だが、ランクル200とレクサスLXのドライブモードセレクトも乗り心地には効果が大きいから高く評価する。これとは逆に、ジムニーをベースにしたジムニーシエラは乗り心地がハードだ。コンパクトクラスのSUVは、スポーティーさにこだわるためか、乗り心地を硬くしている車が目立つ。
コンパクトカーも似た傾向にある。女性ユーザーやエントリーユーザーを意識して、柔らかめのサスペンションセッティングにしている車が多いのだ。街乗り重視だからホットな走りだと追従性に物足りなさを感じる。基本設計の古いbBを筆頭に、マーチやミラージュなどはその代表と言えるだろう。
足の動きが良く、路面の凹凸を上手にいなすコンパクトカーは数えるほどしか無い。が、最近は意のままに気持ちよく走ることが出来、乗り心地も良い車が増えてきた。その代表がデミオだ。軽快感はガソリンエンジン搭載車に一歩譲るが、重厚かつしなやかな乗り味を実現しているのがディーゼルターボ搭載車である。乗り心地の質が高い。
フィットもハンドリングと乗り心地の妥協点が高い。長いホイールベースとセンタータンクによる最適な重量配分により、快適な乗り心地を手に入れた。最新モデルは足の動きが良くなった。設計はちょっと古いが、スイフトとアクアもきめ細かい改良によって乗り心地を向上させた。車酔いも少ない。
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乗り心地ランキング
コンパクトクラス乗り心地ベスト3
1位:デミオ
2位:フィット
3位:スイフト
コンパクトクラス乗り心地ワースト3
1位:iQ
2位:bB
3位:マーチ
SUV乗り心地ベスト3
1位:フォレスター
2位:CX-5
3位:ハリアー
SUV乗り心地ワースト3
1位:ジムニーシエラ
2位:ジューク
3位:ラッシュ/ビーゴ
ミニバン乗り心地ベスト3
1位:アルファード/ヴェルファイア
2位:ステップワゴン
3位:シエンタ
ミニバン乗り心地ワースト3
1位:NV200
2位:フリード
3位:エスティマ