今ではディーゼル不毛の国と思われた日本ですら、ディーゼルが勢力を増しているわけだが、欧州でも2000年代初頭を迎えるまでは、ディーゼルが広く受け入れられているわけではなかった。
そもそも乗用ディーゼルの祖といえば、フォルクスワーゲンのゴルフディーゼル。70年代に登場し、「小型乗用車ディーゼルってありだよね?」という風潮を作り、これは「第一次ディーゼル革命」ともいえる出来事だった。
が、当時のゴルフディーゼルのエンジンは1.5LのNA。確かに燃費はいいけれど、音なども含め、それ以外の部分での優位性はほとんどなく、あまり広がらなかった。
そこに乗用ディーゼル車普及のブレークスルーを起こした二つのテクノロジーが「コモンレール直噴」と「ターボチャージャー」だ。
まず、コモンレール方式の実用化で、それまでの機械式の燃料噴射では実現できなかった燃焼の自由なアレンジが可能となり、例えば「ゆっくり燃料を燃やしてNOxを減らす」というような緻密な制御も可能になった。
そして、ターボチャージャー。もちろんターボ自体はすでに目新しい技術ではなかったけれど、ディーゼルエンジンと、より多くの空気を取り込めるターボを組み合わせることは、出力面でも有利。
こうしてコモンレール直噴+ターボという組み合わせを持って欧州で、「第二次ディーゼル革命」ともいえるディーゼルブームを迎えたのが2000年代初頭。
当時のディーゼルは、まだ高コストだったこともあり、主流は高級車が中心。ベンツEクラスやBMW5シリーズに採用されたV6やV8ディーゼルがその筆頭だった。
※3LのV6ディーゼルエンジンを採用したW211型のベンツE320CDI。最高出力は211ps、
最大トルクは55.1kgmというスペック。
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注目の日欧ミドルディーゼルSUV主要諸元
CX-5 XD Lパッケージ |
ジャガードF PACE 20d ピュア | ボルボXC60 SE | BMW X3 xdrive 20d | |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4540☓1840☓1705 | 4740☓1935☓1665 | 4645☓1890☓1715 | 4665☓1880☓1675 |
ホイール ベース(mm) |
2700 | 2875 | 2775 | 2810 |
車重(kg) | 1640 | 1920 | 1800 | 1840 |
駆動方式 | 4WD | 4WD | FF | 4WD |
エンジン | 2.2L直4 ディーゼルターボ |
2L直4 ディーゼルターボ |
2L直4 ディーゼルターボ |
2L直4 ディーゼルターボ |
最高出力(ps/rpm) | 175/4500 | 180/4000 | 190/4250 | 184/4000 |
最大トルク(kgm/rpm) | 42.8/2000 | 43.8/1750~2500 | 40.8/1750~2500 | 38.7/1750~2750 |
サスペンション(F/R) | ストラット/ マルチリンク |
ダブル ウィッシュボーン/ インテグラル リンク |
ストラット/ マルチリンク |
ストラット/ 5リンク |
JC08モード燃費(km/L) | 18.0 | 15.8 | 18.6 | 18.6 |
エコカー減税(取得税/ 重量税) |
免税/免税 | 免税/免税 | 免税/免税 | 免税/免税 |
価格 | 348万8400円 | 639万円 | 599万円 | 627万円 |