日本ではなかなか定着しないオールシーズンタイヤだが、あえてオールシーズンタイヤをアピールして存在感を見せているのがグッドイヤーだ。
「ベクター4シーズンズ 」がそれで、既に国内導入から4年以上が経過しており、知る人ぞ知る存在なのだが、ここに来て本格的に勝負をかけてきた。
従来輸入だった時代にはサイズを限定せざるを得なかったのだが、新たに国内生産としたことで145/80R13と言った軽自動車用サイズから215/65R16と言ったミニバン対応サイズや225/45R18といった大型サルーンにまで幅広く対応する44サイズ展開となった。
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メリットとデメリットの損得勘定で判断すればいい
オールシーズンタイヤというカテゴリーが示すように、ドライ路面からウェット、そして積雪路面までを幅広くカバーするのが特徴。
ベクター4シーズンズには日本国内で冬用タイヤであることを示す「スノーマーク」が付けられている他、欧州での冬用タイヤの証「スノーフレークマーク」も付与されており、もちろんM+S(マッド&スノー)表記もあり、例えば冬期の関越道での冬用タイヤ規制などにも対応する。
冬場に関越道を走って都内から石打あたりのスキー場へ行くと言った使い方で実際に積雪路を走った経験があるが、通常の圧雪路であればスタッドレスタイヤに対し全く遜色ないグリップ性能を発揮するし、関越トンネル前後の消雪パイプでたっぷりたまったヘビーウェット路面では、スタッドレスタイヤとは比較にならないほどの排水性能を実感。
【14インチ】【ベクター4シーズンズ ハイブリッド】175/65R14【Clai… |
ウエット路面ではかなり心強い。ただしアイス性能はスタッドレスタイヤには及ばないので、その辺りは十分に心しておいていただきたい。
一方、ドライ路では若干パターンノイズが気になるのはデメリットとしてあげておかねばならない。
高速道路にかぎらず、一般道50km/h程度で走っていても「コォー」という高周波ノイズが出て、これはサマータイヤに対する明らかなネガ。
積雪路に対応する大きく深いブロックや、排水性を重視したV字型パターンを見れば、納得できる部分ではあるが、静粛性を重視する向きには、その点を知った上で判断していただきたい。
またドライ路での高速道路走行ではセンター付近の操舵応答性に若干の曖昧さがある。これもトレッドパターンを見せてみればセンターに太い主溝を配さないため、センターの手応え感がやや希薄になるだろうと予測済み。
とはいえ、今回富士スピードウェイショートサーキットで試乗会が実施されたのだが、実際のグリップ力はサマータイヤと同等の実力でこんな使い方にも十分対応することを確認できた。
都内など非降雪地域でも冬場に1~2回は積雪になりあたふたするのだが、そんな時にオールシーズンタイヤだと大助かりする。
もちろん前述のようなちょっとした「弱点」はあるが、それを踏まえた上でオールシーズンタイヤという選択肢も考えてはいかがだろうか。