2Lターボの歴史がそのまま国産ターボエンジンの歴史といってもいいだろう。1979年に430型セド/グロで初めて搭載されたL20E・Tのスペックは、当時のグロス表示で145ps/21.0kgmだった。現在のネット表示にしたら最高出力は125ps程度で最大トルクは18kgm弱に過ぎないのだが、それでも当時の国産エンジンのレベルから見れば圧倒的なハイパフォーマンスだった。
84年にはグロス値で200psの攻防が繰り広げられる。三菱のスタリオンと日産スカイラインRSターボだ。その後85年にはR31スカイラインのRB20DETがグロス210psを達成するが、ちょうどこの年にネット表示に移行し、180ps/23.0kgmへと表示される数字は小さくなってしまった。同じ時期にライバルエンジンとなったトヨタのツインターボ、1G-GTEは180ps/24.0kgmだった。
2Lターボがネット200psに達するのは88年1月の2代目ソアラマイチェン時に1G-GTEがハイオク仕様となり200ps/28.0kgmとなったとき。スカイラインのRB20DETはこの時点では190ps/24.5kgmだった。RB20DETが200psを超えるのは88年9月にセフィーロなどに搭載されたハイオク仕様で205ps/27.0kgmで、89年8月に登場したR32スカイラインでは215ps/27.0kgmとなる。
この時代になるとスバルからはレガシィが登場し、EJ20ターボはセダンRS用で220psを発揮。この時期にはクラストップのハイパワーを誇った。レガシィとライバル関係だった三菱ギャランVR-4は87年のデビュー当時は205psだったが4G63型は89年には220psに、さらに90年には240psまでパワーアップし、93年に登場したランサーエボリューションでは250ps2までパワーは引き上げられた。
その後ランエボVSインプレッサの進化合戦の中、エボ2で270ps、そして96年8月に登場したエボ4でついに当時の規制リミット280psに達した。一方のインプレッサも250psでスタートして年々パワーアップ。96年のバージョン3で280psに達した。ちなみに最新のWRX STIに搭載されるEJ20ターボは308ps/43.0kgmを発揮し、日本導入への期待が高まるシビックタイプRの直4、2Lターボは310ps/40.8kgm。現在市販されている2Lターボで最もパワフルなのは、ベンツA45AMGに搭載される360ps/45.9kgmだ。