MINIクラブマンがモデルチェンジした。クラブマンはBMWがプロデュースするMINIのワゴンモデル。2007年に発売された1stモデルはワゴンとは言ってもさほど利便性を追求したモデルではなかった。しかし、新型はボディーサイズを大幅に拡大。乗車定員を5名にするなど、ワゴンとしてのキャラクターを鮮明にしている。MINIに多彩な機能を求めるユーザーにとっては大いに気になる存在である。
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新型MINIクーパーSクラブマンがどこが一新されたのか
新型はドアが6枚ある。クラブマンは「スプリットア」と呼ぶ観音開き式リアゲートを備えるために2枚、そしてボディには一般的なヒンジ式ドアが4枚。旧型のクラブマンの変形5ドア(ボディ3枚+リア2枚)に比べて使い勝手は大幅に向上した。新型は後席を日常的に使用するユーザーにぴったりの設定に変更されている。
同時に一新されたのがボディのディメンション。全長☓全幅☓全高は4270☓1800☓1470mm。全長と全幅は旧型(同3980☓1685☓1440mm)から拡大されて、クロスオーバー(同4120☓1790☓1550mm)をしのぐ史上最大のMINIが誕生した。
新しいクラブマンはMINIの一バリエーションでありながらも、新たな市場を開拓してしようとしていることが明らかだ。ホイールベースがクロスオーバー比で75mm長い2670mmある点に両車のポジションの違いがあらわれている。新型クラブマンはMINIの伝統のコンパクトよりもワンクラス上のゆとりを重視したディメンションだ。
新型クラブマンのアピアランスは絶妙だ。「大きい」という第一印象とともに「間違いなくMINIに見える」し、「なかなかバランスがいい」と思えるスタイリングとサイズである。
MINIにコンパクトの魅力を期待するユーザーは、クラブマンに違和感を抱くだろう。一方、MINIを個性的でプレミアムなブランドととらえているユーザーには、のびやかでステーションワゴンらしくなった新型は、新たな魅力を発散するMINIの一員に映るに違いない。
新型クラブマンの後席は、大人2名が長時間すごせる空間がある。後方までほぼ水平に伸びたルーフラインによって頭上スペースに余裕があり、ドアのスクエアな開口形状の利点で乗降性もいい。
ラゲッジスペースは広い。荷室容量は後席を立てた状態で360L。後席をたたむと1250Lに広がる。新型のスペースがあれば、遊び道具がなにかと増えるアウトドアシーンにもぴったりだ。郊外型のショッピングモールへの買い物にも安心して出かけられる。
新型MINIクーパーSクラブマン試乗
試乗車は、ハイパフォーマンスバージョンのクーパーSグレード。384万円という車両価格に116万円分のオプションアイテムを装備。ちょうど500万円というプライスタグがついたゴージャスな仕様だ。
インテリアの質感は高い。ナビゲーションがレイアウトされた室内中央のマルイセンターパネル部を囲うLEDのラインランプがエンジン回転数に応じてタコメーター風に色調を変えるなど、MINIらしい演出が楽しい。ドアトリム部分にイルミネーションが組み込まれ、ドライバー側ドアを開けると地面にMINIエンブレムがプロジェクション表示されるなど、光の演出が巧みな点もMINIならではという印象だ。
最高出力192psを発する2Lの4気筒ターボエンジンは、新採用の8速ATとの組み合わせ。ドライブモードにかかわらず、ややスロットルの「早開き感」が目立った。これはMINIというブランドならではの元気がいいところを見せる演出なのだろうか。ランフラットタイヤを装着している影響か、特に低速時には路面凹凸を素直に拾いすぎるように感じられた。パフォーマンスはいい。アップテンポな走りは得意だ。8速ATの効果で高速クルージング時のエンジン回転数が抑えられ、ゆったりとした走りが味わえる。
乗り心地を快適。持ち前のゴーカートフィーリングを連想させるハンドリングの俊敏性を発揮しつつ、MINIのバリエーション中では最もピッチモーションを抑制している。これはロングホイールベース採用の効果である。
惜しい点は、ロードノイズをはじめタイヤが発する騒音が大きいところ。クラブマンは各部が上級で、走りが大人っぽい。それだけに、リファインを望みたい。ナビゲーションのディスプレイが上下方向に狭く、指針が縦に移動するタコメーターは極端に読み取りづらい。
新型クラブマンは、従来のMINIラインアップとはひと味違う多才なユーティリティを持ったオールマイティモデルだ。新たなキャラクター構築への積極的な姿勢はいかにもMINIらしい。
主要諸元
グレード | クーパーSクラブマン |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4270☓1800☓1470 |
ホイールベース(mm) | 2670 |
トレッド(mm) | 未公開 |
車重(kg) | 1470 |
エンジン(プレミアム仕様) | 1998cc直4DOHC16Vターボ |
最高出力((kW(ps))/rpm) | 141(192)/5000 |
最大トルク(Nm(kgm)/rpm | 280(28.6)/1250~4600 |
JC08モード燃費(km/L) | 16.6(燃料タンク容量48L) |
サスペンション | Fストラット/Rマルチリンク |
ブレーキ | Fベンチレーテッドディスク/Rディスク |
タイヤ&ホイール | 225/45R17+アルミ |
駆動方式 | FF |
乗車定員(名) | 5 |
最小回転半径(m) | 5.5 |
価格 | 8SAT 384万円(ハンドル位置:右) |