8月１４日は1965年、トヨタ2000ＧＴの第1号試作車が細谷四方洋のドライブにより初めて走った日から50回目の記念日。この記念すべき日にサプライズ！！なんと、愛知県岡崎市にあるロッキーオートというチューニングファクトリーが2000GTを再現した。
その名も「ロッキーオート3000GT」
○ロッキーオート3000ＧＴスペック
全長×全幅×全高＝4150×1600×1120ミリ
ホイールベース＝2330ミリ
タイヤサイズ＝175/65R15
エンジン＝2ＪＺ－Ｇ型直列6気筒ＤＯＨＣ3Ｌ
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●野崎ラインを忠実に再現
細谷氏は、日本モータースポーツ黎明期を支えた、「チームトヨタ」のキャプテンドライバー。2000ＧＴを駆り67年の富士24時間耐久、富士1000ｋｍ耐久などで優勝。また、66年に実施された2000ＧＴによるスピードトライアルのドライバーチームを率い、世界記録の樹立に大きく貢献した名ドライバーだ。1964年にトヨタの嘱託ドライバーとして2000ＧＴの開発チームと密接に関わるようになったのが現在へと続くキャリアのスタートだった。
「2000ＧＴの開発チーフをされた河野二郎さんに声をかけていただいてトヨタのドライバーになりました。レーシングドライバーといっても、普段レースをしていないときは、私は河野さんの運転手みたいなこともしていて、いつも河野さんと一緒でした。つまり2000ＧＴの開発チームと多くの時間を共にしたわけです」と細谷氏は当時を振り返る。
「そうこうしているうちに2000ＧＴのデザインをされた野崎喩さんのアシスタントに任命されたのです。野崎さんが書き上げたエクステリアデザインを私がドライバーの立場から要望を伝えたりしながら、あの2000ＧＴのスタイルは出来上がっていったのです。ちょっとしたラインの変更なども含めて、すべての線は野崎さんだけが描いたもので、他の人の手は一切入っていないのが2000ＧＴなのです」と細谷氏は強調。
「試作車と市販車ではフロントフェンダーの峰のラインが違っているのですが、これは私がドライバーの立場から、コーナーでスピンした時などに自車の向きを瞬時に把握するために目印として盛り上げた方がいいと進言して野崎さんが線を引き直してくれたのです。また、ルーフ中央にＡ4サイズほどの平たいくぼみがありますが、これは河野さんが少しでも全面投影面積を小さくしたいと言われて、野崎さんが苦慮しながらあの凹みを作ったのです」という。
そして細谷氏が最も強調していたのが「この野崎さんが苦心して作り上げた2000ＧＴのボディライン、これはもう、野崎ライン、といってもいいのですが、このボディーラインを忠実に再現することができなければ2000ＧＴのレプリカモデルとは言えないのです。ロッキーオートの技術者たちは、私の要求に応えて、細かい修正を何度もやってくれました。私が見ても当時の2000ＧＴと見分けがつかない本物を作り上げてくれました」。
1966年10月１日から４日、谷田部で実施されたスピードトライアル当日は、なんと大型台風が直撃し、大雨の中での走行を強いられた。当時撮影された220ｋｍ/hでストレートを走る写真を見ると水煙が後方で渦を巻くこともなくきれいに流れていることが見てとれる。ドライブした細谷氏も、「タイヤがしっかりと接地していて安定していた。大雨の中ハイドロプレーニングを起こすこともなく走ることができたのは、空力的に優れたボディラインだったから」と。こうしてロッキーオートの2000ＧＴは完成した。エクステリアは本物のトヨタ2000ＧＴと見比べても違いがわからないほどの仕上がりだ。
○3000ＧＴは1980万円、ハイブリッドの「2000ＧＴＲＨＶ」は1680万円で、ともにオーダーメードで販売される。
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【トヨタ2000GTスピードトライアルで樹立した記録】
●世界新72時間206.02km/h
（フォード・コメット202.21km/h)
●世界新1万5000km206.04km/h
（フォード・コメット201.75km/h)
●世界新1万マイル206.18km/h
（フォード・コメット200.23km/h)
●国際新6時間210.42km/h
（クーパー202.39km/h)
●国際新1000マイル209.65km/h
（ポルシェ186.59km/h)
●国際新12時間208.79km/h
（ポルシェ186.25km/h)
●国際新2000マイル207.48km/h
（トライアンフ164.1km/h)
●国際新24時間260.23km/h
（トライアンフ104.23km/h)
●国際新5000km206.29km/h
（トライアンフ164.91km/h)
●5000マイル204.36km/h
（トライアンフ164.94km/h)
●国際新48時間203.80km/h
（トライアンフ165.02km/h)
●国際新1万km203.97km/h
（トライアンフ164.53km/h)
●国際新72時間206.02km/h
（トライアンフ153.09km/h)
●国際新1万5000km206.04km/h
（AC121.889km/h)
●国際新1万マイル206.18km/h
（ヤッコ・ロサリエ111.203km/h)
※（）内は2000GT以前の記録
