パリモーターショーで公開 日産が可変圧縮比ターボエンジンを開発
インフィニティは20年来の研究の末、目を見張る性能を持つ、新エンジンの開発に成功した。この2Lターボエンジンが、日産の巻き返しの切り札になるか?
インフィニティーが画期的なエンジンの開発に成功した。圧縮比を可変できる世界初のエンジンで1998年から開発を続けてきたものだ。
VC-T(バリアブルコンプレッション・ターボ)と呼ばれる直列4気筒、2Lターボは「ディーゼル並みの環境性能とV6、3.5L並の出力と滑らかさを持つ」とアピールしている。
このターボユニットは、274ps、39.8kgmというスペックを発生する一方、同性能を発生するガソリンエンジンに比べて約27%も低燃費を実現していると言うから、2Lディーゼルとほぼ同じ数値が期待できる。
日本での JC08モード燃費にすれば20km/Lほどだろうか。
ではどうやって圧縮比を変え、高性能と低燃費を両立しているのだろうか?
クランクシャフトに平行してコントロールシャフトを配置し、2つのシャフトをコンロッドでつなぎ、コンロッドに接続されたアクチュエータアームが、エンジンブロック側面にマウントされたモーターによって、可変することでピストンの上死点を変化させ、圧縮比を変更できるのだ。
これによって市街地や高速走行では14:1とディーゼル並の圧縮比とする一方、パワーが必要な加速時は8:1へとシームレスに変更できる。
そして、このエンジンは直噴とポート噴射の両方を持つパラレル噴射システムを持ち、一般的な燃料サイクルと燃費重視のアトキンソンサイクルの切り替えを行うことで、パワーと燃費の両立を可能にしている。
2017年から横浜工場で生産が始まり、実際に搭載されるのは2018年からになる可能性が高いが、9月29日に始まるパリ・サロンで発表される。
V6、3.5Lに匹敵するパワーと2.0Lディーゼルに匹敵する低燃費の実現ということになれば、SUVからスポーツモデルまで様々な車との組み合わせが考えられる。
是非次期フェアレディZに搭載し、新生Zの門出を後押しして欲しいと思う。
※Q60やQX30といったインフィニティの主力車種への搭載が有力視され、メルセデスベンツやBMW、アウディといったプレミアムブランドのディーゼル車に対抗していくはずだ。