日本を代表するビッグネームであるカローラ。そのカローラも日本では「高齢化」が進み、いわゆる車好きや働き盛りの人たちからは敬遠されるように思われがちだが、実際には相変わらず売れている。
特に2013年にハイブリッドを加えてからは、常にベスト10入りを果たす「人気車」。ワゴンタイプのフィールダーを加えての数字ながら、まだまだ健在だ。
とはいってもセダンタイプのアクシオはやはり「高齢化」は否めず、トヨタとしても若返りを図りたい車種であることは間違いない。
世界150カ国で売られ、13年には累計4000万台を突破し、世界のベーシックカーとして認知されるカローラの、日本でのイメージは「お年寄りの車」になりつつある。
そんなカローラも来年には12代目を迎える。10月22日に行われたカローラ50周年イベントでは、次期カローラを担当する小西チーフエンジニアも「次はスタイリッシュに変身させたい」と証言しているし、実際北米ではカローラも、カローラフーリアとしてデザインを大幅に変更、若い層の支持を集めることに成功している。
世界のそれぞれのエリアでカローラはその国のマーケットに合わせ、ボディサイズをはじめ、デザインに至るまで進化してきた。
それが成功の決め手でもあったわけだが、日本では、次期モデルで大胆な進化で新たなマーケットを築く可能性がある。
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ゴルフGTI以上の250ps仕様がメイン
次期カローラの開発目標は「ゴルフを上回ること」。これは現行モデル開発時から言われてきたことで、ヨーロッパのカローラ5ドアハッチでもあるオーリスが、特にゴルフをターゲットに開発されてきた。
しかし、現行オーリスの開発中にさらにゴルフはⅦとして進化し、その差が縮まっていない。それでも、トヨタはその間にプリウスに採用した新しいプラットフォーム、TNGAを完成。これを次期カローラにも採用する。
この新しい骨格により、強靭なボディを実現させ、ヨーロッパでも十分通用するカローラを送り出す計画だ。
ボディタイプは3タイプ。セダン、ワゴン、それに5ドアハッチバックで、フロントデザインはこの3車種ともに共通となることが判明している。
デザインは日本仕様ということだが、これまでのファミリー系のデザインから一新されることが分かった。
北米仕様のフーリアに共通するシャープなラインと、大胆で戦闘的な表情を持ち、開口部の大きいグリルが特徴となる。
次期カローラでは日本だけでなくヨーロッパマーケットを重視し、特に5ドア系に力を入れると言われ、5ドアにスポーツ系の「ゴルフGTI」のようなスポーツグレードが設定されることになる。
VWゴルフはファミリー層向けからポルシェイーターと呼ばれるプレミアムスポーツグレードまで超ワイドバリエーション。
前々モデルの最上級モデルスポーツ、ゴルフRではV6、3.2Lエンジンを積んだモデルのR32があり、トヨタも一時、ゴルフRに対抗した2BOXのV6、3.5Lのブレイドマスターを出したが歯が立たなかった。
近年になってターボ技術が進んだことから、ゴルフRも2Lターボで280psの4WDへと進化している。
トヨタが目指す次期カローラは、4WDまでは望まないものの、ノーマルのGTIレベルのスポーツグレードを設定し、そのチューニングモデルはGAZOOで扱うスポーツモデルという構想で5ドアハッチを再構築する狙いがある。
走りに対してこだわりのある豊田社長自ら、欧州車のハンドリングと操縦安定性を開発陣に強く求めていると言われ、日本市場でカローラのイメージの若返りを図るためにも、「GTI」構想は極めて重要だと言える。
エンジンは当然、8ARのチューニング仕様で、現在レクサスNXに積まれる235psをさらにチューニング、220psのゴルフGTI以上の250psを目指すという。
当然ゴルフGTIクラブスポーツエディションの265psに、特に対抗するGAZOOの限定モデルは280ps級になる可能性が高く、このGAZOOの手によるスポーツモデルは、どちらかといえば、どちらかといえば、よりスパルタンなシビックタイプRの仕上がりに近い。
この注目の5ドアスポーツハッチバックは、オーリスと統合され、カローラのネーミングを使うかどうかリサーチ中ともいわれる。
ゴルフGTIが389万9,000円から買えることを考えると、350万円程度まで抑えることになるだろうが、この次期カローラ5ドアハッチGTには超注目というところだ。
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1.2Lターボとハイブリッドも
これに加え、新しくなるセダンであるアクシオ、それにワゴンのフィールダーももちろん若々しく変身する。
フロント回りは5ドア系と共通ながらフィールダーは低く伸びやかなラインが大きな特徴で、現行モデルのコンパクト感はなく、上級モデルに思えるということだ。
ボディサイズで注目なのはいよいよ5ナンバーから脱するかどうかということだが、5ドアハッチスポーツは間違いなくワイドボディとなり、1780mm程度になると言われ、セダンとワゴンは1740mm程度で、5ナンバー車はなくなる可能性が高いという。
搭載されるエンジンは直4の1.2Lターボ、1.5Lのハイブリッド、それにベーシックモデルとなる1.5LのNAで、4WDは1.5L、NAとハイブリッドに設定される予定という。価格は現行モデルと同様、150万円から用意される。
デビューは来年の10月が予定されるが、5ドアスポーツモデルは半年ほど遅れる可能性もある。次期型12代目カローラ、久々に期待できる日本車となりそうだ。
新型カローラ5ドア/ゴルフGTI比較
カローラ5ドアスポーツ | VWゴルフGTI | |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4300☓1780☓1480 | 4275☓1800☓1450 |
ホイールベース(mm) | 2600 | 2635 |
エンジン | 8AR-FTS改 直4DOHCターボ |
CHH型 直4DOHCターボ |
排気量(cc) | 1998 | 1984 |
最高出力(ps/rpm) | 250/5200-5800 | 220/4500-6200 |
最大トルク(kgm/rpm) | 36.0/1800-4400 | 35.7/1500-4400 |
JC08モード燃費(km/L) | 16.0 | 15.9 |
価格 | 350万円 | 389万9000円 |