V37型スカイラインクーペとして、2017年に国内市場へ投入されるのではないかと噂されるインフィニティQ60。
とにかくシルエットが素晴らしい。流れるようなサイドビューは美しいの一言。サイドウインドウのメッキモールがピカピカして高級感がある。どの角度から眺めても、美しくかっこいいデザインは、ほぼ満点と言って良いのではなかろうか。
インテリアも素材の高級感が高く、操作系のスイッチ類も適材適所に配置され、快適と質感を両立させている。
パサデナはなかなかおしゃれな街で、欧州系高級車に出会う確率が高い。そんな中でもQ60は決してケバケバしくなく、品のある高級車として引きをとらないデザインだ。
ドライバーズシートに座るとポジションは低い。ドライバーが車の一部に溶け込んだようなフィット感が高い。
よって、ドライビングポジションも少し寝た感じのスポーティーなもの。もちろんこれは、好みのポジションにセッティングできるということで、もっと立ち気味のセットアップも可能だ。
ただ、このシルエットには、フォーミュラーカーをドライブするような、ドライビングポジションが似合う。そう思えるほどに内外のデザインがスポーティでおしゃれなのだ。
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405psの3Lツインターボの動力性能は?
そんな気取った雰囲気の中、アクセルを踏み込む。低速域からとてもスムーズに加速する。パサデナの街を流す自分を想像するだけで嬉しくなる。こんな風に感じる日本車(栃木で作っているのだから)久々。
乗り心地は硬すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い印象だ。街を後にして、高速道路に入る。そこでしっかりとアクセルを踏み込んで見る。
これまでスムーズだった回転フィールに一気に火が入ったように唸りを上げ、蹴飛ばすように加速。
身体全体が加速Gで押し付けられるが、シートのフィット感がしっかりしているので、恐怖は感じさせないが明らかに速い。
そのエンジンはV6、3.0ツインターボでなんと405ps/48.4kgm。このエンジン、出来がかなり良さそうだ。
高回転域での振動感も小さいし、どの回転域からでもアクセルに機敏に反応してくれる。ちなみに同じV6、3Lツインターボで304ps/40.8kgm仕様のエンジンも用意されている。
とにかくパフォーマンスとシルエットは予想以上の満足感。しかし、乗り心地は細かなピッチングに悩まされる。
米国の高速道路の路面はとても悪く、継ぎ目のキャップなど日本の比ではないのだ。とはいえ、その辺りを何気なくこなすモデルもあるわけで、改良の余地はある。
その後、箱根のようなエンゼルスハイウェイを走る。ここでも、エンジンのパフォーマンスは素晴らしく、コーナリングから立ち上がりのトラクションでリアにしっかりと荷重をのせてダッシュする様には感動すら覚える。
第二世代となったバイワイヤー式ステアシステムのダイレクト・アダプティブ・ステアリングは進化しているが、まだダイレクト感が欲しいところだ。
全体的に改良の余地が残されているが、スポーティーなスカイラインクーペの後継として相応しいモデルだ。
- V37スカイラインセダンにも通じるインテリアの雰囲気だが、全体的にタイトに作られた「コックピット」はスポーツクーペのムードが漂う。ステアリングは標準タイプの他にダイレクトアダプティブステアリングも設定。
- 全長4690mm、全幅1850mm、全高1395mmのボディは日本での仕様を考えるとちょっと大柄だが流麗。V6、3Lツインターボの他、セダンにも搭載される直4、2Lターボの設定もある。
- 日産が独自に開発したV型6気筒3L(2997cc)ツインターボエンジン。ボア×ストロークは86.0mmのスクエアでVバンク60度。圧縮比は10.3とハイコンプターボである。304ps/40.8kgm仕様と、ハイパワーバージョンとして405ps/48.4kgm仕様が用意されるのがポイント。トランスミッションはいずれの仕様にも7速ATが組み合わされる。
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スカイラインクーペインフィニティQ60
全長☓全幅☓全高(mm) | 4690☓1850☓1396 |
ホイールベース(mm) | 2850 |
車両重量(kg) | 1752 |
エンジン | V6DOHCツインターボ |
排気量(cc) | 2997 |
最高出力(ps/rpm) | 405/6400 |
最大トルク(kgm/rpm) | 48.4/1600-5200 |
トランスミッション | 7速AT |
サスペンション | ダブルウィッシュボーン/ マルチリンク |
タイヤサイズ | 255/40R19 |
価格 | 4万5205ドル |