1.2Lエンジンを積んでいるのに電気自動車(EV)?ほかのハイブリッドとは違うシリーズ型で勝負に出る、ビッグチェンジノート。ガソリンで走るEVに注目だ。
コンパクトカー戦線で苦境に立つ日産は、本来3月に予定していたノートのビッグチェンジを10月に延期し巻き返しを図る。単に部分的な変更ではなく、好調のハイブリッド市場に革新的な技術で打って出る構えだ。
現在、日産のハイブリッド技術はフーガやスカイライン型の2つのクラッチを使い、エンジンとモーターを断続的につなぐシステムと、セレナに積まれるS-ハイブリッドのジェネレーターモーターでトルクアシストするシンプルなタイプの2種だった。
ところが、ノートのハイブリッドは完全なシリーズ型。駆動はモーターで、エンジンは発電用。普通、この発電用は小さなエンジンを使うことが多いが、新しいノートの場合、エンジンは既存の1.2Lの直3エンジンを使う。エンジンを回して作った電気はほかのEVベースのハイブリッドとは異なり、あまり蓄えず、必要な分を発電しながら走るという新システムのものになりそうだ。
理由はリチウムバッテリー電池が高価なことから必要最小限のサイズのものを積むため。ノートはEV用に設計されたわけではないので、電池を積むスペースが少ないことに加え、リーフとほぼ同じモーターを設置と、さらに1.2L3気筒エンジンを積むことから電池は小容量のものになる。
エンジンは効率のいい回転で常に回し、モーター駆動するタイプになりそう。もちろん停止時にはエンジンも停止するのでJC08モードは40.0km/Lあたりになる可能性が高く、価格も250万円程度に抑えられるはずだ。